八王子ユースシアター2021:クロッシング
出演団体募集のお知らせ

2021.9.17 12:00 公開
2021.9.27 22:30 赤字追記

八王子ユースシアター2021:クロッシングは全国公募による3つの団体に演劇作品を創作していただき、その過程を発信・アーカイブしつつ、配信による上演発表を行うプログラムです。主催である(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団のほか、ディレクターの小堀陽平や4名の学生マネージャーがマネジメントを行い、表現に関するトータルな活動を通じて次世代を担う人材を育成することを目的としています。

 
  • 日本全国どこからでもご参加いただけます。
  • 参加決定は10月中旬を予定しています。以降、12月〜1月の上演・収録・配信をめざして創作に取り組んでいただきます。
  • 参加団体には担当の学生マネージャーが配置され、ディレクターとともに創作を支援します。
  • 複数回のオンライントークセッションを担当学生マネージャーとともに企画・実施し、その機会からフィードバックを得つつ、作品を創作していただきます。
  • 創作のプロセスをオンライン上で発信/アーカイブします。
  • 作品の発表は原則としてオンライン配信(配信プラットフォームは主催者にて準備)により行いますが、ライブ配信である必要はありません。また、配信用映像をご用意いただければ、異なる企画・事業としての公演を兼ねていても構いません。
  • 上演場所は八王子でなくても構いません。もちろん、八王子市芸術文化会館(いちょうホール)もご利用いただけます。
  • 本プログラムでは演劇の価値・魅力として「虚構性」を重視することにしています。つきましては配信用映像においても、あえて、あきらかに「上演された虚構」であることがわかるように収録していただくことを求める予定です。あらかじめご了承ください。
  • 団体ではなく個人で参加をされたい方は、「演劇ネットワークぱちぱち」を通じてご参加いただけます。(定員あり)
    演劇ネットワークぱちぱち https://note.com/engeki_8888/n/n4a592e402afa
    ※「演劇ネットワークぱちぱち」は、ふれあい財団が行う演劇事業の一つです。
 

活動スケジュール(予定)
2021年10月中旬:参加決定を通知
2021年11月〜12月:作品創作期間
2021年12月〜2022年1月:上演・収録・配信

 

対象
過半数が中学生以上30歳以下で構成されている国内の団体(新設団体も応募可。過去の上演実績については不問)

 

定員
3団体 (応募内容、課題作文の内容を基に決定いたします。)
※このほか、「演劇ネットワークぱちぱち」が出演します。「演劇ネットワークぱちぱち」は、ふれあい財団が行う演劇事業の一つで、演劇に関わりたい人が集うネットワークです。ユースシアターに出演したい個人の方がぱちぱちを通じて参加することができ、また、ユースシアターに率先して参加することで財団が行う演劇事業全体を盛り上げる役割を担います。
演劇ネットワークぱちぱち
 https://www.hachiojibunka.or.jp/net88/

 
応募締切

2021年10月5日(火)

 
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応募方法

1. 「八王子ユースシアター2021 応募フォーム」より必要情報を記入・送信。

 応募にあたり、下記募集要項をご一読ください。

 

2. フォーム送信後3日以内にメールにて課題作文を提出。

【課題】

想像してください。
「好きです」や「付き合ってください」といった恋愛的な好意の【告白】に対し、どうしても受け入れられない旨を伝えなくてはならなくなったとします。
その際、相手に送るメッセージを日本語で自由に作文してください。

  • シチュエーションや関係性、タイミングなどは設定は自由に決めていただいて構いませんが、断る側の言葉のみで構成してください。
  • 様式は自由です。ただし、PDFデータでご用意ください。
  • 選考にあたっては「相手への誠実さ」「設定や背景のおもしろさ」に注目する予定です(この2点以外にも注目すべき魅力を備えた作文があった場合、この限りではありません)。
  • ディレクター1名、学生マネージャー4名、担当財団職員2名で選考します。
 

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ディレクター メッセージ  

日本のみならず、全世界的に舞台芸術の世界は非常に苦しい状態が続いています。しかし、それは立場や言い方を変えれば、「今は舞台芸術どころではない」「こんなときにどうして舞台芸術をやらなくてはならないのか、やったところでどうなるのか、リスクを上げるようなことをやるべきではない」、多くの方々がそう思っているということなのだろうと思います。

そんな状況下で八王子ユースシアターという新たな演劇プログラムを実施するにあたり、わたしたちは「演劇活動をすること」の意義について話し合い、そもそも演劇とはどんなものなのか、という大きな問いからあらためて考えました。慣習や形式などのパッケージなどの問題としてではなく、なるべく原理的なところに立ち返りながら、そもそもの〈なりたち方〉について話し合いました。

そしてさしあたり、【生(なま)のものであること】【虚構(うそ)である(と他人と共有できる)こと】というふたつの定義を導き出しました。

前者は、かかわった人たちがお互いに生きている「いま」を共有していることで成り立っている、ということ。そして後者は、映画やドラマのような「本当らしさ」が低く、「舞台」や「観客」という現実の存在が同時にあることによって「あくまで想像上の虚構(うそ)である」ことが保証されている、ということ。

ひとは、どうして「うそ」だとわかっているのに、つくられた物語や、ひとが他人を演じる姿を求めるのでしょうか。

なんとなく自分でも思い当たるのは、自分の現実とは別の世界にふれて気分転換をしたかったり、あるいは逆に、気分や心持ちを重ねられる言葉やできごとを見つけて自分をみとめたかったり、そんな欲求があるからじゃないかと思います。

もうひとつ、話し合いのなかで出てきたのは「孤独」というキーワードでした。親しい相手とすら気兼ねなく会えない状態が続いているだけでなく、起こり得たであろう新たな出会いの機会が失われていることがもたらす「孤独」。それは未来への不安とも言い換えられるものです。

やや逆説的な言い方になるかもしれませんが、演劇が上記のような活動であるならば、あるいは上記のような演劇活動をするのであれば、こんな状況下だからこそ、演劇プログラムは大きな意義を持ちうるのではないか。みんなの議論を聞きながら、そんな直感を得ました。

イメージしている活動のポイントは3つ。感染防止目的だけでなく、多くのひとと出会い知り合うために積極的にオンラインのコミュニケーション・ツールを活用すること。出会ったひとたちとたくさんの言葉を交わし、共有した「いま」を創作活動に取り入れること。明らかに演じられた「虚構(うそ)」とわかる映像によって、多くの人たちに向けたオンライン配信上演を行うこと。

演劇をひとえに「鑑賞するもの」として提供するのではなく、そのトータルな営みのなかにある「ひととのかかわり」をひらいてゆく。そんなふうに演劇を捉え直すことでその意義を見出せるのではないか。

本当に現実は厳しく、将来に対しても強い不安を抱いている方も多いと思います。ただ、そんな状況下だからこそ、ときには少しくらい「うそ」にすがってもいいんじゃないでしょうか、とも思います。自分に起きたことをあえて面白おかしく話してみたり、誰かに演じてみてもらったり、都合よくわたしたちと「表現」をつかっていただき、現実とのほどよい距離を保ちながら元気にお過ごしいただけたなら、それこそ演劇冥利に尽きるのでは……といえる気がします。

八王子ユースシアターは今年がリニューアルの1年目です。まだまだ手探りですが、参加する若者たちには演劇ならではの手つきで大いに社会を探ってもらい、その手応えによってこれからの「ひととのかかわり」をひらくヒントを見出してもらえたなら、それが何よりの成果になると考えています。

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小堀 陽平 Kobori Yohei
東京都出身。日本大学芸術学部演劇学科卒、同大大学院芸術学研究科舞台芸術専攻博士前期課程修了。
2012年、岩手県西和賀町にて演劇等の合宿事業「ギンガク(銀河ホール学生演劇合宿事業)」を立ち上げる。
2014年、西和賀町に移住。2017年、西和賀町文化創造館アートコーディネーターに着任。町民劇事業「銀河ホール演劇部」、演出力を競う日本唯一の高校演劇大会「いわて銀河ホール高校演劇アワード」を企画・実施。2019年より一般社団法人ブリッジ代表理事、岩手県文化芸術コーディネーター、岩手県立千廐高等学校演劇部の部活指導員を務める。

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学生マネージャーメッセージ

 

中村ひかる Nakamura Hikaru (中央大学)
体育祭、最後の大会、サークル活動など、様々な活動が中止になり、いわゆる青春時代を充実させることができない若い人たちは、私を含め、自分たちは”ハズレの代”だと思ったことがあるかもしれません。しかし、逆にこの機会を利用して、”今しかできないこと”に挑戦してみたらどうでしょう。何年後かに、あの頃のあの生活のおかげで、今の自分があると言えたら、なんだか”アタリ”な気がしませんか?八王子ユースシアターでは、”今しかできない演劇”を一緒につくってくれる仲間を募集しています。八王子で、素敵な出会いが生まれることを願っています。ぜひご参加ください。
 

甲斐千尋 Kai Chihiro (中央大学)
時短営業に会食禁止さらには移動自粛と、我慢しなければならないことが多い今、様々なストレスを抱えていると思います。私たちはこの不安や孤独を劇に反映させ共有することによって、皆さんの癒しとなれば考えています。この劇を完成させるためには、あなたが必要です。ぜひご参加ください。
 
 
 

影山千遥 Kageyama Chiharu (明治大学)
見たいものが見れない、行きたい場所に行けない、会いたい人に会えない。そんな日々を過ごすことを強制されているここ数年は今まで築いてきたものや人との“繋がり”を意識したと思います。八王子ユースシアターは、演劇を通じて人と人、作品と作品、不安と不安が出会い繋がって交差する、そんな場になる場所と思います。学生マネージャーと共にコロナ禍の不安に打ち勝つような演劇を八王子ユースシアターから発信していきましょう!ぜひご参加ください。
 
 

原口友歌 Haraguchi Tomoka (創価大学)
昨今は人とのつながりを感じるのがとても難しい状況にありますが、そのような現在だからこそいつもの日常では出会えなかった人や見ることのできなかったものを誰かとつなげることができると思います。私自身もこのような状況でなければ学生マネージャーに応募はしなかったかもしれませんし、そうだったなら他の学生マネージャーの皆さんや小堀さんやふれあい財団の皆さんにも出会えなかったでしょう。この八王子ユースシアターはこれから出会う人々と一緒に作り上げられるので、まだ誰にも何がどうなるかわかりません。どんな方々と共にどんな八王子ユースシアターをつくることができるのか、そしてどんな作品が上演されるのかとても楽しみです。

 
 

主催・お問合せ:(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団(042-621-3005)
運営:一般社団法人ブリッジ