【2023/3上演】鳥公園『ヨブ呼んでるよ』感想を言い合う会の記録

演劇ネットワークぱちぱちでは、
「みんなで舞台作品を観て、上演団体と繋がって、感想を語り合おう」の会を時々開きます。
その名も、観劇ツアー!

今回は、八王子市芸術文化会館(いちょうホール)小ホールで、
2023年3月17日~19日に上演された、鳥公園『ヨブ呼んでるよ-Hey God, Job’s calling you!-』です!

本公演は、ぱちぱちメンバー有志4名が稽古場に通ってその魅力をレポートしたり、
上演団体「鳥公園」を紹介する「ジコショウカイ展」を同2名が八王子で企画制作したりと、
ぱちぱちにとって深く関わりのある公演です。

公演詳細はこちら→

ぱちぱちメンバーの奥山樹生さんによる、「読むとあたかも観劇した気持ちになる」くらい
ハイクオリティーな漫画レポートはこちら→

感想を言い合う会・概要

参加者は、『ヨブ呼んでるよ』を観劇したぱちぱちメンバーのうち、
大学1年~3年の3名と、運営チームの伊藤、中込、
主催の公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団の荻山さん。

公演の創り手と、観劇者で、
オンライングループ通話で2時間ほど語り合いました!

感想あれこれ

おしゃべりはとっても盛り上がりました!
同じ作品を見て語りあうのはやっぱり楽しいですね。

お話の中で印象的だった意見を、匿名・箇条書きで掲載します。

観劇した方も、「鳥公園」や演劇に興味がある方も、
「ふむふむ」と読んでもらえたら嬉しいです。

まずは、ビジュアル。衣装について


・その登場人物たちが置かれている状況を表現した衣装。衣装ありきの演出。象徴。雄弁な衣装。

・マンションの管理人が、スカートの形で歩幅が狭くなるという制限がある。
それらの制約が内面に変化を与えている。

・ただ、タカオちゃんとキホには制約がない。比較的自由を許された存在なのかも。

・後半の、大きくなったキホは制限がすごいあった。現実とのギャップ?

さらに、舞台美術について


・一番前の席で見たが、居づらい。自分の足が舞台空間にかかってしまう。
それが、キャラクターの心象を表現しているかのよう。居づらさがポイント。

・舞台美術だけではなく、舞台空間も特殊。
いちょうホール小ホールを元から知ってる人も知らない人も見たことのない空間だった。

・敷き詰められたビニール袋は黒じゃなくてもよかったんじゃないか?
たとえば、八王子市のゴミ袋は青色。
青色だったら海で、芝生とからんでめっちゃ地球。
でも、演出的に海を表現していいのかはわからない。

・海だと思って見てた。演じてる場所は島。浮かんでる。


・黒いゴミ袋は最近ゴミを捨てられないからゴミ袋としてはファンタジーなのかも。
チラシのビジュアルと考え合わせるとやっぱり穴なのかなあ。
照明の力もあって、水面に反射する感じが海っぽかった?

・私は海とは思ってなかったなあ。

(制作・荻山さんより)


・公開稽古の時バルコニー席で見たけど、本番もバルコニー席で見ても印象が変わってよかったのかも。
でも、見切れがあったので販売するには難しかった。

・芝生は最初からあったが、公開稽古のあとに、
演出から黒いビニールを敷きたいというリクエストがあった。
そのことによって空間が引き締まったと思う。



カーテンコールの後の演出について



・「終わらせない」「ほっとした瞬間の後にほっとさせない」という演出は好き。
その一方で、(カーテンコールの)音楽を切るタイミングは
あれがベストだったのか?

・後味が悪いと感じたのは演出にうまく乗せられたなって思った。
でも、空気を読まないといけないというのはいやだった。
(空気を読んで客席を立たないといけなかった)

・自分の関わる舞台だと、お客さまに挨拶して送り出しをすることが多い。
でもそれは「媚びてる」っていう感じもしてあんまり好きじゃない。
だから、個人的には終わったから帰っていいかわからない、突き放されたというのは好き。
暴力的な終わり方。内容と通じていた。

(制作・荻山さんより)


回によって、雰囲気が全然違った。お客さんの誰かが
さっと立ちあがった時は重たい空気にならなかったが、
どなたも立たなかったら長い時間がすぎる。

作品内容について

・どの登場人物も、好きになるには…っていう感じ。
自分の中の肯定できない部分が表れている感じ。というしんどさがあった。
でも、登場人物を嫌いになりたくないっていう強い意思が生まれた。

・男から発せられた「女性はいいなあ」という台詞に対して、むかっとしたけど、
自分も、「男性の方がいいよなあ」と思うこともあるじゃん…と気が付いた。

・「希帆」は何者?
一元的じゃないのでは。
登場人物の中で一番自由なのは希帆なのでは。
いつでも死ねる。他の人は社会と交わっているので制限がある。

・それぞれの自由がある。「弥太郎」の自由。「たかをちゃん」の自由。
それぞれの立場から見たら、自由じゃなくて窮屈に見える。

・性器が巨大化された弥太郎。自分をカテゴライズさせて、セオリーを作って、
社会の波を乗り越えられる存在。
エセ関西弁を使ったりと、違和感を覚えさせる。


・戯曲の要請している上演時間は75分。
しかし今回の上演は2時間。観客に考えさせる時間が多い。
自分の中の希帆の要素とか、が、発見されてしまう。
だから見ていると苦しいのかも。
苦しいけど、誰も悪くないよ…環境が悪いよ…と思えるので、
登場人物を嫌いにはなれない。

・「私の不幸は誰が作ったのか」という台詞があったけど、
みんなが作ったんだと思う。

鳥公園『ヨブ呼んでるよ-Hey God, Job’s calling you!-』上演チームのみなさん、本当にお疲れ様でした~!

2023年度に開催される予定の公演も、ぱちぱちで観に行きます!

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