中込遊里です。
19歳から8年間所属していた劇団(演劇組織夜の樹といいます。俳優和田周さんを中心とした俳優集団です)の先輩に、とても会いたくなったので昼飲みに誘いました。
なぜとても会いたくなったか、というと、自分が育った根っこを思い出したくなったからです。毎日を懸命に走り続けて、ふっと息をつきたくなった時、ああ、実家に久しぶりに帰ってみようかな…というのと、ほぼ同じだと思います。
夜の樹は、私は8年間で飛び出したのだけど、先輩は終わりまでいました。終わりというのは、和田周さんがコロナ第一波で亡くなって以来、実質解散のようになってしまったからです。(しかし、まだ正式には解散していないぞ…!!)
先輩と言い合いました。夜の樹での時間は、言葉にできない。本当に楽しくて、ゾクゾクした。本当に、良い芝居だった。ああ、そうだったなあ。と思い出しました。言語化できない、理屈では言えない、俳優同士の言葉と身体の交わし合いが、稽古場で、劇場で、確かにあった。夜の樹という「実家」を飛び出してから10年経ちますが、いまだに、共演者たちという「家族」と目を見て交わした言葉が、細胞に浸み込んでいます。私は確実にここで育ってきたのでした。
夜の樹は、和田周さんの身体は、なくなってしまったけれど、先輩がいる。夜の樹のことを愛する人たちがいる。会いたくなったら、こうして会えるんだ。そうか、そうだよな。
アイキャッチ画像は、夜の樹のFacebookから引っ張り出してきた、20歳くらいの私です。昭和の夫人を演じるために、変わった髪型をしています。