#マジゲキ『夏の夜の夢』稽古場レポート

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こんにちは!「高校生とプロの演劇人が一緒に本気で演劇をつくる11日間」(通称マジゲキ)の制作を務めております、ぱちぱちディレクター・マネージャーのまゆたそ(齊藤舞夕)です。

目次

マジゲキとは?

 ディレクターメッセージや企画概要

 4月・5月に開催したワークショップレポート

 『夏の夜の夢』成果公演特設ページ

・稽古場レポート

 稽古1日目 6月3日(土)

 稽古2日目 6月4日(日)

 稽古3日目 6月10日(土)

【高校生インタビュー①】

 稽古4日目 6月18日(日)

 稽古5日目 7月8日(土)

【高校生インタビュー②】

 稽古6日目 7月9日(日)ワークインプログレス

 稽古7日目 7月15日(土)

【高校生インタビュー③】

 稽古8日目 7月16日(日)

 稽古9日目 7月17日(祝・月)

【番外編】マジゲキ高校生たち、ラジオ生出演!

【番外編2】都内某所にて、えいし、頑張る。

 稽古10日目 7月22日(土)

 稽古11日目 7月23日(日)

マジゲキとは?

「高校生とプロの演劇人が一緒に本気で演劇をつくる11日間」の通称。八王子を中心とした多摩地区の高校を巡って沢山の人と出会い、そこで出会った仲間たちとプロの演劇人たちが本気で演劇公演を上演するプロジェクトです。今年度から始まりました。今年4月から5月まで、主に多摩地域の高校を開催地として計4回演劇ワークショップを行い、総勢53名の高校生と出会いました。今回はその中から10人の高校生と共に『夏の夜の夢』を上演します。

4月〜5月は多摩地区の高校を巡ってワークショップを行い仲間を増やし、6月からは『夏の夜の夢』の稽古期間に入り、7月29日・30日に日本工学院八王子キャンパスにて本番を迎えます。このレポートは6月から7月にかけての稽古期間・本番期間にどんなことが行われたのか記録するためのものです。

ディレクターメッセージや企画概要

以下はマジゲキのプロデューサーの荻山さんの言葉や、ディレクター・演出の早坂さんのメッセージを掲載しているページです。企画概要もこちらから見られます。

4月・5月に開催したワークショップレポート

以下は今年4月末〜5月末までに行われた多摩地区の高校を巡ったワークショップを、運営のぱちぱちメンバーの視点でまとめた記録レポートです。

『夏の夜の夢』成果公演特設ページ

キャスト・スタッフの情報やチケットの予約など、以下のリンクから見られます。

稽古場レポート

主に制作のまゆたその視点から、『夏の夜の夢』の稽古場をレポートしていきます!

稽古1日目 6月3日(土)13:00〜19:00

『夏の夜の夢』稽古スタート!

記念すべき最初の稽古。「このメンバーで作品を作っていくよ」という顔合わせも兼ねているため、みんなで車座になり自己紹介から始まりました。といってもこれまでのワークショップで何度か顔を合わせているメンバーも多く、あまり緊張感もなく和やかなムード。4月5月のワークショップの時と同様、参加者はみんなに呼ばれたい名前・その由来を言っていきます。唯一初めましてだったキャストの北條さんも、名前の「泰成」に因んで「タイさん」という名前になりました。すると、高校生の「まるこ」も同じ名前だと言うことが判明!素敵な偶然です。

辛いものが好きだから「わさび」、小学校で一番最初に付けてもらったから「クロワッサン」……などなど、由来を聞くだけで面白い自己紹介でした。

(左から)演出補のゆうみ、演出のはーちゃん、プロデューサーのおぎー(荻山さん)、キャストのわさび
(左から)キャストのわさび、イズミ、ゆのこ
(左から)キャストのまるこ、ワッサン、音響のゆきりん

『夏の夜の夢』ってどんな作品?

一通り自己紹介が終わると演出のはーちゃん(早坂さん)から改めてシェイクスピアについての説明がありました。

シェイクスピアは生涯で37本の作品を書き残しており、『夏の夜の夢(原題:A Midsummer Night’s Dream)』は12作目。正確な執筆時期は確定することはできませんが、30歳そこそこで書かれたという説が一般的だそうです。喜劇、悲劇、ロマンス劇、歴史劇など作品ごとにジャンル分けがされており、今回の『夏の夜の夢』は喜劇の部類に入ります。Midsummerとは一年で最も昼の長い「夏至」の頃のこと。当時の夏至祭は「一年中で精霊がもっとも活発に横行するときとされ」(白水Uブックス『夏の夜の夢』P153より引用)た。しかし劇中には「五月祭」の前夜ということが書かれており、五月祭は原則として5月1日に祝われるもの。つまり、この話は4月30日頃のお話というわけです。シェイクスピアは「二つの祭に 共通の祝祭気分にインスピレーションを得ている」(白水Uブックス『夏の夜の夢』P154より引用)という説もあります。今回のマジゲキの上演では小田島雄志訳を使用します。

(左から)キャストのみゅー、イズミ
(左から)音響のゆきりん、プロデューサーのおぎー、キャストのタイさん、ゆのこ
(左から)キャストのむらさき、演出のはーちゃん、演出助手のアキナ

読み合わせ・シーン稽古

そして早速、役柄を変えての読み合わせと、チームに分かれてシーン稽古が始まりました。11日間しか稽古が無いため、今日と明日中にキャスティングを固めなければなりません。キャストの個性やバランスを見ながら、その都度役柄を変えて稽古を進めていきます。ワークショップで取り扱った場面も多く、みんなの稽古にも熱が入ります。

この日のシーン稽古は

1幕1場 駆け落ちを約束するライサンダーとハーミアのところへヘレナが通り掛かるシーン

(配役:ライサンダー…まるこ、ハーミア…イズミ、ヘレナ…みゅー)

1幕2場 クインスとボトムなど、アテネの住人たちが公爵の結婚式の余興でやるお芝居の稽古の打ち合わせをするシーン

(配役:クインス…タイさん、ボトム…ゆのこ、わさび、スナッグ…ゆきりん、フルート…おぎー)

2幕2場 森に入ったハーミアとライサンダーが、お互いの寝る場所をどうするか問答した後、パックが惚れ薬を塗るシーン

(配役:ライサンダー…アキナ、ゆのこ、ハーミア…むらさき、パック…わさび)

チームごとに2回目の発表を終えると、はーちゃんからひとこと「残り時間で配役を変えて稽古してもらうことってできる…?」稽古終了間際に急きょ配役を変えての稽古スタート!10分間でシーンを仕上げて発表をするとあっという間に終了時間となりました。

稽古2日目 6月4日(日)10:00〜17:00

ちょっと深堀り自己紹介

2日目も初日同様、車座になって稽古がスタートしました。ワークショップ期間中はサブファシリテーターとして関わっていたキミー(武井さん)が、今度はキャストとしてこのカンパニーに加わります!というわけで改めて自己紹介タイム。しかし昨日と同じではつまらないのでちょっと深堀り自己紹介をやりました。「好きな劇団の話」や「みんなが知らなそうなこと」など、昨日よりも深い話が飛び出しました。

ちょっと深堀り自己紹介
(左から)稽古場補佐のえいし、キャストのキミー、演出のはーちゃん
(奥から)キャストのまるこ、タイさん、イズミ、わさび

次に、今後稽古していく中で自分が何ができるのかを考える時間がありました。本番ではテキレジ(※テキストレジの略称。台本の台詞の追加や削除などをすること)をした台本を使用するため、台本に書かれていない部分の出来事を観客に伝えなければいけなくなります。観客にきちんと伝えられるようにしっかり物語を把握して理解することが大事で、そのためには自分の想像力を膨らませられるかが鍵!とっても難しいことだけれど、みんな真剣な顔で聞いていたのが印象的で嬉しくなりました。

また、「ええ声」についての話もありました。それを聞いて、自分のええ声は何?自分の得意な声はなんだろう?とみんな言葉を口に出して試していました。稽古をしていく中で自分の素敵な声を見つけ出して、それぞれ演じられるようになってほしい!楽しみです!

はーちゃんのノートを聞くわさび、イズミ、タイさん、まるこ
キャストのゆのこ(中央)、キミー(右端)、妖精役として控える音響のゆきりん、演出助手のアキナ、制作のあおちゃん
演出補のゆうみ(左)と稽古場補佐のえいし(右)

シーン稽古

この日のシーン稽古は

3幕2場 ヘレナに恋をしてしまったライサンダーとディミートリアスが彼女を巡っていがみ合い、そこへハーミアが表れて大混乱のシーン

(配役:ライサンダー…タイさん、ヘレナ…わさび、ハーミア…イズミ、ディミートリアス…まるこ)

2幕1場 ひとりの少年を巡って妖精の王オーベロンと女王タイテーニアが喧嘩をするシーン

(配役:オーベロン…キミー、タイテーニア…ゆのこ)

どちらも熱量の高い場面です。 

3幕2場は演出補のゆうみが中心となって稽古を進めていきます。隣にいる稽古場補佐のえいしは、今回「本番には出られないけど何かしらで参加したい!」とマジゲキに参加してくれました。代役として台詞を読んだり、前からキャストの演技を見てくれています。

2幕1場のシーンではタイテーニアが妖精を従えていると書かれているので、演出助手のアキナと音響のゆきりん、制作のあおちゃんが妖精役として参加!稽古場ならではの風景でした。恐らくキャスティング決定前の最後の稽古であるということで、実験的にオーベロンとタイテーニアの役を入れ替えながら稽古が進んでいきます。キミーがゆのこに対して「このシーンをやる機会はもうないかもしれないよ」「キャスティング前だから色んな役を演じてみてもいいと思うよ」とアドバイスしていたのが印象に残りました。

どちらのチームの発表も面白く、昨日の稽古も踏まえて、誰がどの役を演じるかによって『夏の夜の夢』の雰囲気がガラッと変わるなと思いました。このペアもいいけど、あのペアも好き…。きっとはーちゃんがベストな配役を決めてくれるはずです。

次回からはいよいよ、本役での稽古開始です!

稽古3日目 6月10日(土)13:00〜19:00

キャスティング決定!

他にも兼任して演じる役はありますが、主な配役が決定しました。

ゆのこ…オーベロン(妖精の王)

ワッサン…イージーアス(ハーミアの父)

イズミ…ハーミア(イージーアスの娘・ライサンダーを恋する乙女)

むらさき…パック、またはロビン・グッドフェロー(妖精)・スターヴリング(仕立屋)

わさび…ボトム(機屋)

まるこ…ディミートリアス(ハーミアを恋する若者)

みゅー…ヘレナ(ディミートリアスを恋する若者)

ジャッキー…ライサンダー(ハーミアを恋する若者)・フルート(ふいご屋)

キミー…タイテーニア(妖精の女王)・ヒポリタ(アマゾンの女王、シーシュースの婚約者)

タイさん…シーシュース(アテネの公爵)・クインス(大工)

本役での稽古スタート!

(左から)キャストのキミー、わさび、タイさん
(左から)キャストのタイさん、ゆのこ、キミー、演出のはーちゃん
(左から)キャストのみゅー、ゆのこ、わさび

いよいよ本役での稽古が始まりました。ここからはとにかく台詞を覚えて自分の役を深めていく作業になります。この日はキャストの参加者が少なかったので、ヘレナ役のみゅーの相手役として、急遽まゆたそはライサンダーとディミートリアスとハーミアの代役として稽古に参加しました!この日やった稽古は3シーン

4幕1場 惚れ薬でボトムに恋をしてしまったタイテーニアが、ボトムに愛を伝えまくるシーン

3幕2場 ヘレナに恋をしてしまったライサンダーとディミートリアスが彼女を巡って火花を散らすシーン

1幕1場 ハーミアとライサンダーが駆け落ちをすることを、通りすがりのヘレナに伝えるシーン

代役に入っていたため4幕の稽古はあまり見られなかったのですが、本番の舞台上を想定し、どこの袖から出てくるか、舞台上をどのように動いていくかなど、より細かく稽古が進んでいたように見えました。

3幕2場はライサンダーとディミートリアスが両方出てくるので、途中まではライサンダーとして演技して、次の瞬間ディミートリアスになるというちょっと面白い状態になりました。更に稽古の終盤には、ゆのこにライサンダー役として入ってもらい、1幕1場のハーミアもやったので、色んな役の立場からみゅーと演技ができてとても楽しかったです。代役はとにかく自由にやれるのがいいですね。ゆのこはGWのワークショップからライサンダーを演じていたので、代役ながら安定感がすごい。わさびも前回の稽古やワークショップ期間中に何度かヘレナを演じたことがあるので、前からお芝居を見て的確な意見を伝えてくれました。

今回の公演に参加している高校生メンバーは、以前のワークショップで1度は『夏の夜の夢』の人物を演じたことがあるので、作品に対するある程度の理解があり、こうした意見交換や見え方の指摘が可能なのだなと感じました。これまでの積み重ねが少しずつ稽古に反映されていて、これはワークショップ期間を経て公演の稽古を行うマジゲキならではの現象だと思います。

この日の稽古から出ハケの位置も決めながらの稽古となり、少しずつ本番の会場を意識しながら稽古を進めていました!

【高校生インタビュー①】

突然ですが、今回マジゲキに参加してくれている高校生たちにインタビューに答えてもらいました!

オーベロン役・ゆのこ
ヘレナ役・みゅー
ボトム役・わさび

Q1.マジゲキ (ワークショップ・成果公演)に参加しようと思ったキッカケ・決め手は?

ゆのこ「親の紹介で見つけて、元々演劇が好きで出てみたかったからちょうどいいなーって感じで応募しました!」

みゅー「キッカケは中学からの友人で今回の共演者の1人である、むらさき(西村咲)に誘われたからです。決め手は、同じくむらさきでした。高校が別になってしまい、2度と同じ舞台に立つことができないかもしれないと少し落ち込んでいました。そんな折のお誘いだったので即決しました。」

わさび「演劇系の大学に入ろうと思っていて、しかし入っていた演劇の部活が引退になってしまったので、残り受験までの期間に演劇に触れておきたいと考え、参加してみました。それに加えて、古典劇をやる機会が今までなかったので、原作をよく知っている方々と作り上げていく経験は、勉強になると考えました。」

Q2.『夏の夜の夢』の3回目の稽古を終えてみて、今の率直な感想

ゆのこ「難しいです。でもすごくやりがいがある……!」

みゅー「初めてシェイクスピアの作品に触れ、想像以上に難しく、初めは不安でしたが、稽古していく中で、共演者の皆さんが意見をくれたり、質問してくれたりしたので楽しむことができるようになってきました。」

わさび「指導してくださる大人の方々から、これほど密接に指導してくださることはなかったので、自分の中で、大きく成長できた実感があります。」

Q3.「マジゲキだな」と思った瞬間

ゆのこ「!?マジゲキだな……!?うーーん。遅刻欠席の連絡はちゃんとしろーだとかの色んな基本的なところで今まで所属してた演劇部とは全く違うような『マジで素敵な公演を作ることができるんだな』って感じがして嬉しくなります。マジだなーみたいな!!」

みゅー「稽古中の共演者の皆んなの真剣さ(マジ)を感じた時、はやさかさんのダメだしの時です。」

わさび「高校生同士だけでなく、大学生の方々とも距離が近く、多くの面で、強く影響されました。そして、参加している高校生みんな誰もが演劇に対する想いがあるので、部活とは違った熱量で稽古ができました。」

Q4.意気込み

ゆのこ「何気に初舞台だったりするので、タイテーニアと並んでも全く恥ずかしくない、威厳のあるオーベロンになりたいと思っています!」

みゅー「2ヶ月間という長いような短いような期間での完成を目指すので楽しく『マジ』で頑張ります!長台詞が多いので、一つ一つの表現でなにが表されているのか考えながら丁寧に演じていきたいです!」

わさび「劇作りのドキドキを忘れずに、悔いなく演劇を作っていきます!」

ありがとうございました!

稽古4日目 6月18日(日)10:00〜17:00

ぱちぱちメンバーのジャッキー登場!

今回の稽古からジャッキーが稽古に加わりました!ジャッキーは大学4年生の22歳。俳優として活動しています。以前昭和高校でのワークショップに参加してくれており、今回はその縁でライサンダー役を演じてくれることになりました。

(左から)キャストのわさび、みゅー、ゆのこ、演出のはーちゃん、ジャッキー。奥に座っているのが演出助手のアキナ
(左から)演出のはーちゃん、キャストのジャッキー
キャストのタイさん

今回も前回同様に少ない人数での稽古だったので、2チームに分かれ、各部屋で稽古を行いました。

この日稽古したシーンは3幕2場、ヘレナに恋をしてしまったライサンダーとディミートリアスが彼女を巡っていがみ合い、そこへハーミアが表れて大混乱のシーンです。前回はハーミアが登場するまでを稽古したので、今回はハーミアが登場してから退場するまでを通して稽古しました。

今回はジャッキーがいるので、まゆたそはハーミアの代役です。ディミートリアス役はタイさんが代役に入ってくれました。前回の稽古でやった動きをジャッキーに移し、6月4日に稽古した演技の流れをタイさんに教えてもらいながら、何度も通して稽古をします。稽古初参加のジャッキーはシェイクスピアの独特な台詞回しに苦戦中。でもとにかく台詞に慣れるしかありません。みゅーは前回の稽古も手伝って、ヘレナの台詞が馴染んできている様子でした。お芝居中に何度も目が合い、喧嘩するのが楽しかったです。

「ディミートリアス」の発音の正解は?

稽古の途中でふと、正しい発音はディ(→)ミー(↑)トリアスなのか?それともディ(→)ミー(→)トリアスなのか?と疑問が湧き、正解はどれなのかをハッキリさせるために、海外で上演された『夏の夜の夢』の発音をはーちゃんに調べてもらいました。すると海外の映像では3幕2場でものすごく笑いが起こっていて、俳優の動きもとてもアクロバティックで激しく、改めてこのシーンはとても面白い場面なんだなと思いました。『夏の夜の夢』はこれまで沢山の国で、様々な演出で上演されてきた作品だからこそ、どのようにもアプローチの仕方があり、それを参照できるのがシェイクスピア作品の良いところだなと感じました。「こんなやり方もある、じゃあ私たちはどうやっていこうか」と考えられるわけです。(ディ(→)ミー(→)トリアスが正解でした)

ひたすら台本と向き合います

もう一つのチームは複数人での掛け合いを練習したり、一人で長い台詞を読む練習をしたり……、主に自主稽古です。長台詞の稽古を見ていましたが、普段触れることの無い言葉遣いと長い台詞に一生懸命向き合う姿はとっても素敵でした。他のキャストの子たちが、場面のイメージを掴むために周りに寝たり座ったりしてくれていて、チームワークが出来てきているなあと感じました。プロデューサーのおぎーもタイテーニアの代役をやってくれていました!制作チームが全員代役を務められるのが今回のマジゲキカンパニーの強みです(笑)

タイさんがディミートリアス、まゆたそがハーミアの代役をやりました。
(左から時計回りに)キャストのみゅー、ジャッキー、タイさん、演出のはーちゃん
(左から)プロデューサーのおぎー、キャストのわさび、(奥)ゆのこ

稽古5日目 7月8日(土)13:00〜19:00

マジゲキ稽古、後半戦スタート!

演劇部の発表会や期末テストを終えたみんなが稽古場に帰ってきました。中には初回の稽古ぶりのメンバーもおり、「久しぶり〜!」「元気だった?」と賑やかな声が響きました。

久しぶりの稽古ということで、最近のホットなニュースを一人ずつ話してもらうことに。「さっき食べたお昼が美味しかったです!」「期末テストのヤマが全部当たりました!(ドヤ顔)」「色んな意味で期末終わりました」「台詞覚えてました」「新フェスで主役でした」などなど個性溢れる回答。色々あったようです。が、ここからはマジゲキモードに切り替えていよいよ稽古後半戦です。はーちゃんの血と涙の結晶のテキレジ台本もみんなの手元に配られました。「私はみんなの先生ではないから『静かにして』とかは言わないけれど、私が話し始めたらちゃんと聞いてね」など演出のはーちゃんからの言葉もあり、制作としても、マジゲキの「マジ(本気)」を改めて意識する稽古始まりとなりました。

そう、残りの稽古は6回。いくらテキレジされたとはいえ、50ページの台本を立ち上がらせ、形にし、無料公演といえどもお客さんの前に見せるのです。誰かの時間を頂いて見てもらう以上、中途半端なものは見せられない。我々も高校生たちも本気で頑張らないと上演に間に合わないのです。

(左から)演出助手のアキナ、キャストのわさび、むらさき、みゅー
みんなで輪になって近況報告タイム!
(左から)キャストのワッサン、まるこ

本番のBOXステージの実寸はどのくらい?

以前6/10の稽古で出ハケの位置も決めながら稽古を進めていく話を書いたのですが、今回の稽古からは実際に床にバミリ(※舞台上でキャストの立ち位置や小道具の場所などに目印を付けること)をして立ち稽古を行いました。「1袖から出てきて」「3袖にハケて」などの演出の指示を受けて、キャストが視覚的に本番の会場をイメージしやすくなりました。また、舞台転換(※場面の移り変わりに伴って舞台美術・小道具などが移り変わること)稽古も同時に行います。移動式のパネルを場面ごとに動かし、室内・森の中など様々な状態を表現します。今回は舞台転換はキャスト自身でやることになりそうです。

また、稽古の途中で今回照明としてマジゲキに関わってくださる松本さんが来てくださり、今回の『夏の夜の夢』の客入れ照明の話や舞台明かりのイメージを伝えてくださいました!更に音響の髙橋さんも来てくださり、音響のゆきりんと初対面!いくつか打ち合わせをすることができたみたいです。

演出のはーちゃんの書いたラフ画を元に、本番舞台のイメージを膨らませます。
本番会場の下見に行った際に舞台監督の五ノ井さんが測ってくれた図面を元に、巻尺で実寸を取っていきます。
移動式のパネルも使って、より本番に近い状態で稽古が進んでいきます。

演出家と俳優として稽古場に立つ

本日稽古したシーンは

1幕1場①②③

1幕2場(アテネの住人たちが公爵の結婚式の余興でやる芝居の稽古の打ち合わせをするシーン)

2幕1場(ヘレナがディミートリアスを追いかけるシーン)

2幕2場(ハーミアとライサンダーが寝る場所について問答するシーン)

3幕1場(職人たちの芝居の稽古中にパックがいたずらを仕掛けるシーン)です。

1幕1場は登場人物の入れ替わりによって更に細かく区切られています。

これらを2つの部屋で同時進行で稽古しました。もちろんはーちゃんは1人しかいないので、はーちゃんが見られない間は演出助手のアキナや演出補のゆうみが稽古を見ることになりました。演出家はそのシーンで何が描かれているのか構造を把握し、登場人物の台詞の意図・作者の意図を分かっていないといけません。更にキャストの演技を見て場面の方向性を決めていくにしても、それをキャストにどう伝えるかも重要です。普段の演劇部とのやり方の違いに、ゆうみも試行錯誤しているようでした。全ては台本に答えが書いてある!台本を、原作の『夏の夜の夢』を読み込むしかないのです。

さて、キミーは以前から何度も「役者は準備するのが仕事。台詞を覚えてからがスタート」と言っていました。なので大人キャストたちはもちろん台本を持っていません。しかし高校生のみんなは台本を持ったまま……、正直、頑張って覚えてきて欲しかった。なぜなら準備ができていないものをはーちゃんが見ても、何もノート(ダメ出し)することができないからです。でもはーちゃんはこの日の稽古場でも「私が動きを指示することはできるけど、それじゃあ振り付けになってしまうから、できるだけ自分でお芝居を考えて」と言っていました。

頑張れ高校生たち……!稽古は残り6日しかないんだ〜!

(左から)ヒポリタ役のキミー、シーシュース役のタイさん、イージーアス役のワッサン、ハーミア役のイズミ
台本を持っているとお互いの手を握りあうことができない…。
演出補のゆうみ

【高校生インタビュー②】

高校生インタビュー第2弾!本日はこちらの3人です。

パック役・むらさき
稽古場補佐・えいし
ハーミア役・イズミ

Q1.マジゲキ (ワークショップ・成果公演)に参加しようと思ったキッカケ・決め手は?

むらさき「演劇を通して、色々な人と関わりたい、たくさんの経験をしてみたいと思ったのがきっかけですね!また、部活動だけでは味わえない演劇づくりができると思い参加しました!」

えいし「顧問の先生の紹介で、友達と一緒に5月のWSに参加したことがきっかけでした。最初は少しうまく馴染めるか不安でしたが、その回のWSが雰囲気も良くてとても楽しく、また普段接することのないスタッフの方や他の学校の生徒との交流が、演劇をする上でもとても良い経験になったため、今回の夏の夜の夢の稽古では7月の本番に出れなくても、手伝えることや多くの学べることがあると思い、参加しようと思いました。」

イズミ「ワークショップはネットでたまたま見つけて、八王子なら定期の範囲で近いので参加しようと思いました。成果公演に関しては、演劇は中学時代からやっていたのですが、シェイクスピアは演じたことがなかったのでやってみたかったからです。」

Q2.『夏の夜の夢』の5日目の稽古を終えてみて、今の率直な感想

むらさき「めっちゃ楽しいっすね!!
毎回の稽古で学べることがたくさんあって面白いです!あと、自分に足りなかったとこや新たに出来るようになったとこなどが見つかり、自分の成長にもつながってる気がして嬉しいです!」

えいし「想像していたよりも雰囲気が良くとても楽しいです。皆いい人です。」

イズミ「部活とは違い、一回の稽古時間も長く、古典劇のため台詞回しも難しく大変ですが、一つ一つの経験が新鮮でとても面白く、刺激になっています。」

Q3.「マジゲキだな」と思った瞬間

むらさき「しっかり計画性を持って稽古をしているときですかね…!11日間という短い期間しかないのでより大切なことだなと感じました!また、みんな一体となって演劇づくりに真剣に取り組んでるのを感じたときですかね!楽しみながら真剣に取り組むができて嬉しいです☺️」

えいし「稽古をしているときに演出の方の批評が毎回的確で凄いと思うとき。」

イズミ「タイムスケジュールが丁寧に管理されていたり、大人の方が沢山関わって、色々と細かく稽古をつけてくださるところに「マジ」を感じました。」

Q4.意気込み

むらさき「良い劇ができるよう、精一杯頑張ります!」

えいし「本番は参加することができないのがとても残念だけど、その分練習のときに楽しんで色々と手伝っていけたらなと思います!」

イズミ「シェイクスピアは初めてなのでとても緊張していますが、見る人を楽しませられるような演技ができるよう頑張りたいです!」

ありがとうございました!

稽古6日目 7月9日(日)10:00〜17:00(14:00〜17:00 ワークインプログレス)

久しぶりの昭和学校!

今回の会場は昭和高校。5月末のワークショップ期間で会場を貸していただいた学校です!この度もご好意で会場を使わせていただけることになりました。

なんと本日初めてキャストが全員揃いました!ということで、まずは第5幕(『ピラマスとシスビーの世にもむごたらしき』を職人たちが上演するシーン)を読み合わせしました。

その後は2幕1場2幕2場、どちらもオーベロンとパック、そしてタイテーニアが出てくるシーンです。この場面ではオーベロンとタイテーニアが喧嘩をしており(1人の人間の少年をどちらが小姓にするかで夏の始めから大喧嘩をしているのですが、そのくだりは今回の上演台本ではカットされています)、タイテーニアはオーベロンを一目見ただけで睨みつけ、足早に去っていきます。台詞が大幅にカットされた分、目線や体の動き、台詞の強弱で「2人は喧嘩しているのだ」ということをお客さんに示さなければなりません。何度も場面が繰り返されますが、ゆのこはどうしても台本の方を見てしまい、喧嘩をしている様子が伝わってきません。そこではーちゃんがひと言

「今から1分あげるから、最初の1行でいいから台詞覚えて!」

1分後、タイテーニアと目を合わせながら動くゆのこ。台詞がない分、目線の動きでお客さんに伝わるように演技を考えてと はーちゃんのノートが飛びます。ゆのこは目線が下がりがちなので、特定の場所に視点を定めるといいよというアドバイスもありました。

その後1度みんなに集まってもらい、演出助手のアキナから舞台についての説明がありました。床のバミリも毎回アキナが中心となって貼っていますが、スタッフだけでなく、キャストのみんなも簡単にでも舞台のことを分かっていてほしい!みんなが舞台面の幅や袖について把握できていた方が安全だし、劇場に入った時に安心だからです。

ここで一旦お昼休憩となりました。

第5幕を初読み合わせしました!
(左から)演出のはーちゃん、キャストのゆのこ
袖のことなど、キャスト全員が舞台面を把握します。

ワークインプログレス

14時になり、お客さんが入った状態で稽古再開です。

いつもの稽古と同じように2部屋に分かれて、ワークインプログレスが始まりました!

若者4人チーム、職人チーム、妖精チームそれぞれのやり方で稽古を進めていきます。たとえば、ボトム役のわさびは台詞を耳で聞いて覚えるため、演出助手のアキナがひたすらボトムの台詞を読み、その後に被せる形で台詞を言っていく…という稽古をしていました。と思えば、キャストが稽古している後ろでキミーが演出補のゆうみにアドバイスをしていたり。

私はというと、最初の1時間はおぎーとえいしの3人で、イージーアス役のワッサンの長台詞の稽古をしていました。「この役の生い立ちは?」「家族構成は?」「性格は?」まず役を膨らませて考えていく私に対して、おぎーはまず台本に書かれたことから役を構成していて、対照的で面白かったです。「こんなやり方もあるんじゃない?」と4人で読み合わせたり考えたりするのが楽しかったです。

その間お客さんには台本を渡し、我々の姿を見学してもらいました。

(左から)キャストのイズミ、音響のゆきりん、キャストのジャッキー、演出のはーちゃん
お客さんの前で稽古を進めていきます。
(左から)稽古場補佐のえいし、キャストのワッサン、プロデューサーのおぎー

初めて1幕から3幕頭まで通しを行いました!

15時になり、お客さんの前で初めての通し(1幕〜3幕1場まで)を行いました!これまでシーンごとに稽古してきたものを繋げる。マジゲキメンバーにとって、正真正銘初めての通しです。もちろん、関係者以外の人たちにお芝居を観てもらうのも初めて。稽古場に独特の緊張感が漂います。しかし、通しが始まるとみんな伸び伸び楽しそうに演じていました。直前までの稽古の過程を知っているからこそ、ノートを踏まえて芝居を変えていたり、果敢にチャレンジしていたりしていることが良く分かり、とても良い通しだったと思います。所々で観ているお客さんの笑い声も聞こえ、私自身も「この作品は喜劇なのだ」と改めて感じることのできる通しでした。

通しが終わった後はーちゃんがノートをしている時間を使って、ワークイン参加のお客さんの感想をそれぞれ聞かせて頂きました。演劇に余り詳しくないと仰る方や、ダンサーの方、俳優の方、演劇部顧問の先生、高校生の保護者の方、色々な方がいらっしゃいましたが、共通する感想・課題点の指摘も多く、今後の作品作りにおいてとてもありがたい時間でした。

高校生参加者の保護者の方もいらっしゃっていたのですが、「コロナ禍のせいで、あまり親が演劇の発表会を観られる機会がなかったので、今回こういう機会があってよかった」と言ってくださり、思いがけずマジゲキは今後、授業参観のような場になるのかもしれないと思いました。

コロナ禍によって、自分が一生懸命取り組んでいることを身近な人たちに見せる機会がほとんど無くなってしまったであろう高校生たち。更に演劇公演は完成したものをお客さんに見せるので、稽古の過程を外部の人に見せる機会はほとんどありません。保護者の方たちにとっては、演劇の稽古がどのように行われているのか知る機会にもなります。そして私たち運営サイドの大人は、「あなたのお子さんはこんなに本気で演劇に取り組んでいますよ」と保護者の方に伝える事ができます。そういった意味で、来年以降のマジゲキでもこのワークインプログレスは続けられたらいいなと感じました。

『口が過ぎるぞ!』
『お前はピラマス役しかやれないんだ』
『妖精たち、行くわよ』

稽古7日目 7月15日(土)13:00〜19:30

3日間連続稽古スタート!

稽古7日目。ここから3日間連続稽古の始まりです。この3日間が終わると残りの稽古日数は2日になってしまうわけですね。特に大切な3日間です。というのも、17日に初めての全幕通し(衣裳付き)を行うからです。もちろん全員台本を外します。だからこの3日間、逆算して稽古をしてねとそれぞれに伝えるところから始まりました。それに伴い、少しずつ衣裳や小物類を身につけていきます。今回の衣裳担当はアキナとキミー、小道具の取りまとめはゆうみです。基本的に衣裳・小道具は個人の私物を持ち寄りますが、新たに作らなければいけないものも多く、この日は稽古場の端っこでキミーがライオンのカチューシャを作っていました。

ジャッキーの代わりにピラマス役を演じているプロデューサーのおぎー
(左から)キャストのわさび、プロデューサーのおぎー、キャストのタイさん、演出助手のアキナ、キャストのキミー
稽古場の隅で、ライオンの被り物を縫うキャストのキミー

滑稽で愛すべき職人たち

この日はジャッキーがいなかったので、前半の職人チームの稽古ではプロデューサーのおぎーが代役を務めました。一部むらさきの代役として、演出助手のアキナも入りました。初めて第5幕のミザンスを付けていったのですが、代役の2人が自由に動いていて一番楽しそうでした。代役は自由にやれるので私も大好きです。2人の姿を見ながら、何も決まっていない時間が一番楽しいかもしれないと思いました。

5幕の劇中劇『ピラマスとシスビーのむごたらしき最期』のシーンは、この作品において一番自由に遊べる楽しいシーンだと思っているので、本番でどれだけ面白いシーンになっているのか……!期待が高まります。5幕に限らず職人のシーンは全部面白いのです!歴史上では、職人たちのシーンだけを抜粋して上演された事もあったとか。滑稽で愛すべき職人たちは、いつの時代も愛されたんですね。

職人チームはボトムを除いて全員が役を兼任しています。特にクインスやフルートは台詞も多く、シーシュースも演じるタイさんとライサンダーも演じるジャッキー流石です。大人チーム流石です。タイさんとキミーとジャッキーが高校生たちを引っ張ってくれているなとすごくすごく感じています。

演出のはーちゃん
照明の松本永さん
音響の髙橋さん

少ない稽古時間の中、どのように稽古するか

まるこ、イズミ、ワッサンの3人が部活動の都合で夕方に遅れて稽古参加をしたため、この日は少し時間を延長して稽古をする事になりました。

今年のマジゲキは土日を中心に稽古スケジュールを立てているため、土曜日授業がある学校はどうしても遅刻が発生します。更にこの3人は所属している演劇同好会が大会に出場する関係で、稽古の参加日数が他のキャストより少なく、1分1秒でも多く稽古をしなければ、本番までに間に合わない!

というわけで夕方以降はこの3人が出ている4幕1場を集中的に稽古しました。引き続きアキナがジャッキーの代わりにライサンダーを務めます。物語も終盤、他のシーンに比べて台詞量は多くないものの、この物語の色を決める大事なシーンです。

肝となるのは「恋する若者たちの幸せな空気」。絡まっていた糸がほどけ、2組のカップルが公爵や父親に認められるか否かの瀬戸際、「僕たちは愛しあっているんです」と伝えられなければ大人たちの心は動かせません。更にお客さんにもその空気を届かせなければ、この作品はハッピーエンドになりません。……しかしどうしても高校生たち、動きが固めです。伝わってくるぎこちなさ。分かるよ!相手(それも異性)に触れるって凄い緊張するもんね!ましてや恋人同士の距離感なんて、相手のことも良く知らない状態でいきなり出せと言われても難しいよね!でもあと稽古4日しかできないんです!頑張ってとしか言えない私の無力さよ…。

少ないといえば、むらさきも他のキャストに比べて稽古参加日数が少ないメンバー。パックとスターヴリングの2役の台詞をとにかく体に馴染ませるべく、この日も必死に稽古しておりました。パックは何と言っても一番最後の長台詞をたった1人でこなさなければなりません。パックでありながらも、キャストを代表して1人の役者として喋る難しい幕切れのシーン。ミザンスが付いたことで、動きも含めてここから固めていきます。

照明の永さんや音響の髙橋さんも演出席に座って稽古を見ます。「こういう音が欲しいから探してきて」など音響のゆきりんにも指示が入り、稽古中イヤホンを付けながら音を探す姿が見られました。

なんとこの日で全てのシーンのミザンスが付きました!明日は3幕2場から最後までの通しです。稽古終わり、はーちゃんからは「フィードバックができる状態で芝居を見せてほしい」という言葉が再びありました。照明の永さんは17日にまた稽古場に来てくださるので、「明後日の通しが楽しみです」という言葉を残して去っていかれました……。

(左から)キャストのむらさき、ゆのこ
同性だったらまだ触れ合えるけど……
はーちゃんの話を聞くみんなの様子

【高校生インタビュー③】

高校生インタビュー第3弾!本日はこちらの4人です。

ディミートリアス役・まるこ
音響・ゆきりん
イージーアス役・ワッサン
演出補・ゆうみ

Q1.マジゲキ (ワークショップ・成果公演)に参加しようと思ったキッカケ・決め手は?

まるこ「自分の知らない場所に飛び込んでみようと思って、演劇が好きだったから。」

ゆきりん「部活でマジゲキのことを知った。音響の体験が出来る、また、プロの人と一緒に作品をつくるものだと聞いたので、音響について色々学べると思い、参加した。」

ワッサン「学校の演劇同好会に参加していて、ゴールデンウィークのワークショップに参加したのがきっかけで、参加させて頂くことになりました。最初は役者志望ではありませんでしたが、自然なリズムで役を頂き活動しています。」

ゆうみ「高校で行われていたワークショップで色んな人と関われたことがきっかけです。プロの方と一緒に作品作りをできることが自分のこれからの作品作りにも生きてくるかなと思って参加しました!」

Q2.『夏の夜の夢』の7日目の稽古を終えてみて、今の率直な感想

まるこ「参加してよかったと強く思っている。ワークショップ、稽古がきっかけでできた縁もあるし、演劇のリアルの一端に触れられたのが嬉しい。」

ゆきりん「新しい友達が出来たり、プロの人たちからアドバイスをもらったりなど得られるものが多かった。厳しい稽古じゃなくて楽しくできた。」

ワッサン「学校内には居ない色々な人々と出会えた事が嬉しいです。学校の外で何かしら活動することは、なかなか得られない機会なので、楽しみながら本気で取り組んでいます。」

ゆうみ「やっぱりプロの人と一緒に、色々な段取りが決まっていたり、専門用語がいっぱいだったりの中での稽古が少し緊張感もあり、でも年齢差の垣根を超えて作品作りをできるのが自分の中で刺激になっています!」

Q3.「マジゲキだな」と思った瞬間

まるこ「稽古のスケジュールが前日に送られて来て、それの導線が完璧だということに気付いた瞬間。」

ゆきりん「ミーティングから 稽古に移るときの空気感。切り替えが早くて、空気がガラッと変わってびっくりした。自分は切り替えが遅いから見習おうと思った。」

ワッサン「大人の方々と、高校生が一体となって一つの作品を演じることで、高校演劇にはない面が多く見られ、稽古時間は短くとも濃い演技が出来て良い時間を過ごさせて頂けていると実感する時です。」

ゆうみ「少ない稽古の中、高い集中力で稽古しているところや、大人の方と高校生がいっぱいの刺激を受けて、演技がぐんぐん上手くなって、作品がより良いものになっていることを自覚できるところです!」

Q4.意気込み

まるこ「役者としては目も開いていない雛ですが、めくらなりに頑張ります。」

ゆきりん「いい作品を作ることができるようにこれからも頑張ります!」

ワッサン「予想外なことに、役を頂く事ができたのでこの機会に様々な事を身につけさせて頂き、演劇「夏の夜の夢」に自分の役を残すとともに、楽しんで臨みたいと思います。」

ゆうみ「ここまでの成果を出し切って、本番をいっぱい楽しめるようにしたいです!」

ありがとうございました!

稽古8日目 7月16日(日)10:00〜17:00

4人の若者、全員で喧嘩します

3日間連続稽古2日目。昨日いなかったジャッキーが今日は稽古場にいる!アテネの若者全員集合!というわけで、開始早々この作品の山場である3幕2場(通称・喧嘩シーン)の稽古が始まりました。このシーンはとにかく熱量が肝です。誰か1人でも台詞を忘れたり動きが違ったりするとテンポが崩れて熱量も消え、シーン丸ごと駄目になってしまいます。4人全員で呼吸を合わせて、まるでリレーのバトンを繋いでいくように台詞を渡していかないといけない難しいシーンです。

動きが多いため、この日も台詞がところどころ飛んでしまいます。その度に高校生たちは手元の台本を確認するため、なかなかスムーズにはいきません。このシーンは特にテンポが速いため、台詞が飛ぶと次の人の動きにまで影響したり、意味が繋がらず、次の人が台詞が続けられなくなってしまうのです。それに、今は前から台詞を飛ばしてあげられても、本番は誰もいません。掛け合いではなく長台詞の場合は自分でリカバーしなければいけないのです。明日の全幕通しの時は台本を持ちませんが、そのときプロンプ(キャストが台詞や立ち位置を忘れた際に、合図をや台詞を出すこと・出す人)を入れるかどうか……ちょっと迷いどころです。

キャストのみゅー
(左から)キャストのまるこ、イズミ、ジャッキー
(左から)演出のはーちゃん、演出補のゆうみ

自主連する部屋

一方その頃、パック役のむらさきは別室で歩き回りながらパックの台詞を繰り返していました。前回にも書いたように、むらさきは今日で稽古5日目。とにかくまず台詞を覚えなければ始まらないので、はーちゃんが若者チームの稽古をしている間、私は台詞の確認役として傍につくことになりました。

全体の台詞量としてはそこまで膨大ではないものの、パックは要所要所で物語を転がすキーマンです。テンポよく韻を踏んでいる台詞が多く、物語最後の幕切れの台詞も含め、きっちりと台詞を言わなければなりません。むらさきは『夜の女神の車を引く龍が雲を切って駆け去って』など、読点が打たれていない台詞や、逆に『はい、はい、行きます、ごらんのように、飛んでいきます、ダッタン人の矢のように』など、読点で切ることが指定されている部分の台詞の息継ぎで悩んでいるようでした。なので「俳句だと思って読んでみたら?」とアドバイスをしました。

また、むらさきはバレエ経験者なので(ボトム役のわさびもバレエ経験者。タイテーニアに連れて行かれるシーンの動きのブレ無さが毎回凄いです)動きに軸があってとても素敵なのですが、7/9のワークインプログレスにおいて、「足音が気になる」という感想を参加者の方から頂いたので、そこら辺も少しだけアドバイスしました。動くとしてもなぜ動くのか、目的や理由づけができればしっかり止まれるし、動きも自然に見えるよといった具合に。段々と繰り返していくうちに、動きと台詞が合ってきました。明日の全幕通しが楽しみです。

部屋を歩き回りながら台詞を覚えるむらさき
昨日キミーが作っていたライオンの被り物が完成していました!
昨日欠席していた分、ジャッキーの出るシーンをどんどん当たっていきます

3幕2場から最後までを初通し!

一通りのジャッキーの稽古が終わったところで、3幕2場から幕切れまでを初めて通しました!前回のワークインプログレスでは3幕1場(ボトムがタイテーニアに惚れられるシーン)までの前半を通したので、今回は後半を通すというわけです。しかし今日はオーベロン役のゆのことボトム役のわさびが不在……代役どうしようか……となったのですが、なんと自分の本役と出番が被っていないということで、タイさんとまるこが代役を名乗り出てくれました!しかも台詞を読むだけでなく、動きまでやってくれました。貴重なタイさんオーベロンとまるこボトム。この日だけのキャスティングですが、全然違う芝居になりますね。まるこに関しては本役よりも楽しそうに動いていました(笑)ボトム、楽しい役だよね!ゆのことわさびも2人から色々盗んで自分の役に生かしてくれたらいいなと思いました。

高校生全員、台本を持っての通し。やはり前半に比べて後半は稽古量が少ないので、前から見ていて分かるくらいにはみんな自分の動きや台詞に必死で、段取りになってしまっている箇所が多いなと思いました。

「覚えて台詞を言うだけがお芝居じゃないし、覚えることが目的じゃない。その先に到達できるようにしたいですね」(演出・はーちゃん)

高校生のみんなにとっては今の自分たちを把握する上で意味のある通しだったのではないかと思いました。

オーベロンの代役はタイさんが務めました!
ボトム役の代役はまるこが務めました。とても楽しそうでした!
最後にノートタイムです

稽古9日目 7月17日(祝・月)10:00〜17:00

はーちゃん不在の間、アキナ大活躍!

3日間連続稽古最終日。13時半からの一部衣裳付き全幕通しに向けて、朝からみんなで持ち寄った衣裳を合わせてバランスをみたり、衣裳を着けて芝居の確認などをしていました。アキナは昨日一晩で劇中劇の衣裳を縫ったそうです…💦お疲れさまです!!とにかくこの日は13時半から全員台本を外しての初めての衣裳付き全幕通しということで、スタッフさんが集合し、ワークインの時にいらしてくださった方も再び稽古場に来てくださって、みんなそわそわドキドキ、稽古の始めからいつもとは違う空気の稽古場でした。

はーちゃんが別の仕事のため不在だった午前中は、アキナが稽古場を仕切りました。今回の『夏の夜の夢』はキャストによる舞台転換や早着替えも多く、どのタイミングで転換に入るのか、着替えの時間は間に合うのか、誰が介錯(補助)をするのかなど、これまで決めたことをみんなで総復習しました。具体的にいうと、最初から最後まで台詞を早回しで進め、転換や着替えの入るところだけ通常の早さに戻し、確認するといった具合です。着替えのために少し早く袖にはけたり、介錯の人を新たにつけるなど調整を行っていきます。

早着替えが特に大変なのは大人キャストのキミーとタイさん。キミーに至っては4幕から終わりにかけて、タイテーニア→ヒポリタ→スナッグ→ヒポリタ→塀→ヒポリタ→タイテーニア(終幕)と怒濤の早変わりです。(もちろんタイさんも負けず劣らずの早変わりです)最初はバタバタの早着替えでしたが、回数を重ねるごとにスムーズになっていき、相手役の衣裳を舞台上で調えるほどの余裕っぷり!さすがです。不安要素を少しでもなくして、通し準備に入ります。

かなりの猛暑の中、稽古場は涼しいものの、一歩外に出ると滝のような汗が吹き出ます。連日、稽古場に到着するみんなを見ると汗でびっしょりです。(もちろん私も汗だくです)ここに来て3日間の疲れが見え始めました。制作としては「体調が悪くなったらいつでも休んでね」「無理せず休憩取ってね」というスタンスではあるのですが、時間が容赦なく私たちを追い立てる……!高校生に「無理しないでね」と体調を心配する一方で、「でも無理するなと言うほうが無理な状況だよな?」と矛盾する考えが頭をよぎります。11日間という稽古日程の少なさが、そもそも多少なりとも無理しないと完成まで持っていけないスケジュールなのです。

キミーが持ってきてくれたインドの布をみんなに合わせてみました
マジゲキらしさが詰まっているなと思った一枚
この日は照明の永さんのほか、舞台監督の五ノ井さんもいらっしゃいました

キャスト3人が不在の中の全幕通し

この日は一部衣裳付きの初めての全幕通し。しかしこの日はハーミア、ディミートリアス、イージーアスが学校の別の用事のため不在でした。そのため代役を立てねばということになったのですが、流石に今日の通しは舞台監督の五ノ井さんもいますし、早着替えなどもなるべく本番と同じ状態で通せなければ意味がない!ということで、

イージアス…アキナ、ハーミア…まゆたそ、ディミートリアス…おぎー

がそれぞれ声だけを出して代役をやりました。ライサンダー役のジャッキーも、ヘレナ役のみゅーも、お互い相手役がいない中(2人で話すシーンなどは、虚空に向かって台詞を喋ることになる)での全幕通しで、大変そうでしたが2人ともとても頑張っていました。途中でハーミアとディミートリアスが口論するシーンが出て来た時には、何もない空間に向かって私とおぎーが台本を読み続けるという大変カオスな状態になり、私は「私と荻山さんが台本を読んでいるだけだけど大丈夫か?」と、とても不安になりました(笑)が、はーちゃんも「ちゃんと意味あったよ!すごい良かったよ!」と褒めてくださったので良かったです。おぎーは楽しそうでした。前にも書きましたが、運営チームがみんなお芝居ができるというのが、今回のマジゲキカンパニーの強みだと改めて思いました。

イージーアスとディミートリアスのいない冒頭のシーン
パックとオーベロン
毎回「面白いことをやろう」と挑戦し続ける職人チーム

できればプロンプを一度も入れずに最後まで通せればいいなと思っていましたが、やはり数回台詞が出てこずに場面が止まってしまいました。稽古のときは言えていたのに……、みんな頭では分かっているのに、覚えているのに口から出てこないもどかしさ。それは前から見ていてすごく分かりました。でもそれを除けばみんなすごく集中していて、キャストが3人いなかったことを感じさせない、とても良い通しでした!台本を持たないからこそ、これまでできなかった目線の動きや体の動きが加わり、なにより楽しそうで、「みんなで一丸となって頑張るぞ!」という空気が満ちていました。私も見ていて楽しかったです。

はーちゃんからは「この先みんなが演劇を続けるにしても、続けないにしても、自分が夏の夜の夢をやったということ、台詞を喋ったことを誇りに思えるようになればいいな」という言葉がありました。これを受けて私も、みんなが「悔いなくやり切ったぞ」と終わった時に思えるように残りの時間をすごせたらいいなと感じました。

この日はノートが終わったあとに、来週までにそれぞれの課題を言ってもらい終了となりました。

(左から)演出助手のアキナ、演出補のゆうみ、キャストのむらさき
キャストのみゅー
(左から)音響のゆきりん、キャストのわさび

【番外編】マジゲキ高校生たち、ラジオ生出演!

7月18日(火)11:15〜エフエムたちかわ「鵜飼社長のBrand New Day」、そして7月21日(金)9:30〜ラジオフチューズ「あなたにロックオン」にマジゲキメンバーが生出演してきました!エフエムたちかわでは、学業の都合で来られなくなったメンバーの代わりに、なんと私とおぎーも急遽出演することに!ワッサンは鵜飼社長に「いい声だね!」と褒められていました。ラジオフチューズにもおぎーは出演したみたいです。みんな緊張しながらも、あっという間の生放送でした!

(左から)キャストのワッサン、稽古場補佐のえいし、鵜飼社長
(左から)プロデューサーのおぎー、制作のまゆたそ、鵜飼社長
(左から)キャストのむらさき、音響のゆきりん

【番外編2】都内某所にて、えいし、頑張る。

7月19日、都内某所で何かが行われました。そこにはえいしを含むマジゲキキャストと音響チームの姿が…!

稽古場補佐のえいしは都合により、今回は稽古期間までしか『夏の夜の夢』に関わることができません。しかしそれでもいいと、なにかしらの形で関わりたいと参加してくれたメンバーでした。でも折角ならばえいしにも何かの形で出演させてあげたい!というわけでこの日、チームが集合したのでした。

今回の『夏の夜の夢』、えいしもしっかり関わっています。お楽しみに!

森の中で収録…?

稽古10日目 7月22日(土)13:00〜19:00

ついにラストスパート!

この日は、明日の全幕衣裳付き通しに向けて、1幕1場から順にシーンの最終固めを行いました。本番まで残り1週間、それぞれのシーンごとに稽古できる回数も1、2回になります。その間出番のないキャストは、別室にて自主連です。「心を落ち着かせる会」が開かれていたりしました。

実は前回の稽古の次の日からオンラインで読み合わせ稽古が行われていました。内容は稽古場でやっていることと同じで、1人が台詞を読み、もう1人が台詞の抜けがないか間違いがないかチェックします。前回の稽古終わりで「台詞を覚えます」と自身の課題を言っていたむらさきはなんと全出席!直に顔を合わせずとも稽古ができるようになったのは、コロナ禍以降の数少ない良い変化ですね。

オンライン稽古の様子
(左から)キャストのゆのこ、イズミ、まるこ
「心を落ち着かせる会」のみんな

マジゲキオリジナル曲「妖精たちのワルツ」

『夏の夜の夢』には「詩」と表記された部分や、歌とも台詞ともとれる箇所が存在します。その中で妖精が歌を歌ってタイテーニアを眠らせるシーンがあるのですが、荒居陽さんが特別にその歌詞に曲をつけてオリジナル曲にしてくださいました!タイトルは『妖精たちのワルツ』。3/4拍子のワルツのテンポで、子守歌にはぴったりです。さらにマジゲキの主催である「公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団」の部長の米倉楽さんが曲に合わせて伴奏を弾いてくださいました!ちょっとジャジーな雰囲気でとってもお洒落。この曲をこの本番では舞台の両袖からみんなで歌うことになりました。

楽譜を共有し、キミーが音取りをして、みんなで声を合わせて練習していきます。劇場ではどんな風に聞こえるのでしょうか。楽しみにしていてください!

伴奏を聞きながら、音を合わせていきます
みんな真剣です
キミーが音取りをしてくれました!

自主稽古タイム!

この日はえいしとワッサンが学業の都合で稽古終了間際に到着したため、少し稽古時間を延長することになりました。イージーアスの出演シーンである1幕1場と4幕1場。それから舞台転換だけでなく、妖精役として出演することになったアキナとあおちゃんの稽古も行われました。

ワッサンは台詞を言うとき下を向くクセがあるので、目線や体の動かし方、立ち姿などにはーちゃんのノートが入ります。

4幕1場の妖精たちのシーンのテーマは「インフルエンザのときに見る夢」(なにそれ!?)……もう面白すぎて自由すぎて、個人的にタイさんがどんどん言語を失って妖精なのかもよく分からない生き物になっていくのが大爆笑でした。タイさんの演じ分け、必見です。私は稽古場のこういう瞬間が一番好きです。

えいしがライサンダーの代役で入りました
冒頭部分をしっかり稽古します
ボトムの代役のまるこはいつも楽しそう
タイさん演じる芥子の精を見て爆笑するアキナ

稽古11日目 7月23日(日)10:00〜17:00

いよいよ稽古場最終日!

妖精たちのワルツが耳から離れないまま最終稽古!つまり最終通しの日がやってきました。14時からの通しに向けて、若者チームは昨日できなかった1幕1場の冒頭や、3幕2場の喧嘩シーンを詰めていきます。その他のメンバーは基本的には昨日と同様自主連です。むらさきはラストシーンの独り台詞の部分をどのように表現するか、はーちゃんのノートを踏まえて他のメンバーと考えていました。

「最後のシーンはパックとして出てくるけど、パックをやっていたむらさきでもある。今まで出てきた役者を全て代表して喋っている」

パックという役であり、むらさき自身でもあり、役者という存在でもある。全てが混在しているけれど、むらさき自身はどう表現したい?と聞くと、「自分としてはカッコつけたいです!」という言葉があったので、じゃあ思いっきりカッコつけてやろう!とむらさきの中で方向性が決まりました。どうすればカッコよく見えるのかという視点で見ていたみんなが意見を言います。むらさきのお辞儀が美しくて私は大好きです。必見です。

若者たちは通し前ギリギリまで稽古をしていました
むらさきの自主連を見守るみんな
歌の稽古も本息(本番と同じような気持ち)でやります

4人が揃う機会がなかなか無かったため、若者チームは久しぶりの喧嘩シーンです。そのためか、このシーンの動線がどうなっていたか4人の記憶が曖昧でした。相手の動きを受けて動くやりとりが多いため、1人の動きが違うと全員の動きに影響が出ます。動きと共に台詞を覚えていたみゅーはかなり大変そうでした。以前のレポートでも書きましたが、このシーンは4人の連携が全て。テンポ感が命です。その上シーン自体も長いので、最初から最後まで集中力を保っていなければなりません。何度も動きと台詞を繰り返し、なぜこのタイミングで動くのか、台詞を発するのか、全員の感情の流れと台詞・ミザンスが合うようにはーちゃんが整えていきます。

『いっせーのーせ!』
『これでは恋せずにはおかない』
『性懲りもなく女に袖を引っ張られているようじゃあ』

そんなこんなで時間が押して14時30分過ぎ、衣裳付きでの最終通しが始まりました。前回の通しを踏まえて、それぞれが準備してきたことを出していきます。稽古場で試せるのもこれで最後。前回の台本無しでの初通しの時とは打って変わって、みんなの芝居もまた変わり、すごく面白い通しでした。ギリギリまで稽古していた若者チームもどうなるか少し心配していたのですが、3幕2場は笑えるシーンになってきていて(おぎーは爆笑してました)、すごいな高校生たち!と思った反面、この集中力を稽古の早い段階で出せれば…と思ったりしました。

『私、恋い焦がれていたような気がするわ。ロバかなにかに』
『耳ありの、ボトムなしの、夢だったからな!』
『この美しきご婦人は、まぎれもなくかのシスビーです』

こうしてマジゲキカンパニーは劇場へ

27日(木)からはいよいよ劇場入りで日本工学院へ向かいます。どうか誰一人欠けることなく千秋楽までいけることを願いながら、これにて稽古場レポートは終了です。

皆さま、11日間の稽古を最後まで辿ってくださってありがとうございました!

見ていたメンバーから1人ずつ感想を言っていきます
はーちゃんのノート
最後は全員で集合写真!(残念ながらゆきりんが欠席でした…)