幼児向け演劇「きょうげんあそび」を上演しました

ディレクターの中込遊里です。10月29日(金)に、演劇ネットワークぱちぱちを立ち上げて初の演劇の上演を行うことができました🎉パチパチ!👏演目は、「きょうげんあそび」。東京都立川市内の保育園からの依頼を受けて、3歳~6歳の幼児クラスのお子さん向けに創作しました。

「きょうげんあそび」はこうして生まれた

「きょうげんあそび」とは、狂言の演目を幼児向けに演出した作品です。

保育園からの、「幼児クラス向けに演劇を上演してほしい」という依頼を受けて、演出を担当するアキナ(日本大学芸術学部4年)とぱちぱち運営チームで内容を考えました。

「絵本とか昔ばなしとかを下敷きにするのはよくありそうだから、作り甲斐があんまりないかしら…」「私、神話とか好きなんですよね」「いいね!古典っていいよね!でもあんまり重たいのはどうかな…」「あ、笑える古典があるぞ!」という流れで、日本の伝統芸能であるところの「狂言」を思いつきました。

小さなお子様にウケる狂言はなんじゃ?

たまたま、運営チームの伊藤が狂言が好きだということもあり、数ある狂言の演目の中から6作品の候補を選んでくれました。

語彙がまだ多くはない小さなお子様に受け入れられるには、「ビジュアル」「馴染み深いもの(動物とか)」が演目のポイントだ!という基準です。

zoomをしながらの中込の走り書きです。候補の6つの中から、出演者と一緒に多数決で2演目を決定。トゲトゲした枠で囲まれてるのが選ばれし演目です。

「蝸牛(かぎゅう)」のここが面白い

蝸牛とは、カタツムリ🐌のことです。劇中の謡(song)が癖になる~!出演者のみんなで、動画サイトなどで見られる実際の狂言の映像を見て、面白さを研究しました。

中込の走り書きその2です。みんなで話した演出のポイントが走り書かれています。

「棒縛り(ぼうしばり)」のここが面白い

主人のお酒を盗み飲みする太郎冠者と次郎冠者が、盗み飲みできないように主人に両手を縛られてしまう…という筋です。これもまた、動画サイトで研究。(本当に便利な世の中です…)

中込の走り書きにぐちゃぐちゃな部分が目立ちます。楽しい作品ができそうな予感に興奮が隠し切れない様子です。

対面稽古だー!

10月。緊急事態宣言も解除され、予定通り対面での稽古開始です。日曜×2日、平日夜×2日の計18時間ほどで、すべてを創ります!

アキナの衣装プランで、ジャージ×着物の組み合わせ。ジャージに役名を飾り付けます。「たろうかじゃ」とフェルトで切り抜き。

演技の稽古と並行して、みんなで裁縫。

稽古は、狂言のもともとの演目の流れに沿って演出がピックアップしたシーンを軸に、即興演技でシーンを構築していき、それを文字起こしして台本にするという流れで行われました。台本ができてもアドリブがどんどん入ってにぎやかになっていきます。

「でんでんむし」に山伏が修行するというシーンがあるのですが、流行りの「○○の型!」を取り入れたり、保育園で実際に子どもたちが取り組んでいる体操のメニューを取り入れたり…。子どもたちの反応が楽しみです。

いよいよ本番!

保育園のホールで上演です!感染防止のため2クラスに分けて、全2ステージ(20分×2回)行いました。

前半は「でんでんむし」。山伏が藪の中で寝ていると、長寿に効果があるという「かたつむり」を探す太郎冠者が…。

山伏が寝るシーン、子どもたちが大爆笑でした!

「雨も風もふかぬにでざかまうちわろう~♪」「でんでんむしむし~♪」独特のダンスと歌で大盛り上がり!なかなか帰ってこない太郎冠者を迎えに来た主人も一緒に歌って踊っちゃいます。

こちらは「棒縛り」。カルピス(原作ではお酒)を盗み飲む太郎冠者と次郎冠者が、主人から手を縛られてしまいます。

自由が利かなくてもなんとかしてカルピスやらお菓子やらを飲み食べる二人。その様子が、帰ってきた主人に見つかって…。

「きょうげんあそび」大成功!

保育園の先生方やお子さんからは、「とっても面白かった!」「終わった後、ダンスをすぐに真似している子たちもいました~!」と大好評!

演じることを通して、直接、演じる側とお客さんがビビットに感覚や刺激を受け渡しできることが、演劇の価値であり、楽しさだよな、ということを改めて実感しました。

出演者の大学生からは「ぱちぱちに出会ってよかった」との嬉しい言葉も。そういう言葉をもらえると、中込もほんとうに嬉しいです。

メンバーのみなさん、保育園のみなさん、ありがとうございました~!そして、「ぱちぱち」ならではのとてもよいコンテンツができたので、「きょうげんあそび」をいろいろな場所で上演したいです!

全国(!)からのオファーお待ちしております💛

演出:アキナ(日本大学芸術学部4年)
出演:そうた(桜美林大学4年)・まゆたそ(日本大学芸術学部4年)・ひとみ(日本大学芸術学部2年)・まおすけ(早稲田大学1年)・こうちゃん(桐朋学園芸術短期大学1年)
企画制作:演劇ネットワークぱちぱち
https://www.hachiojibunka.or.jp/net88/