若いうちに上質な舞台を見よう!そして、自分の創作の幅を広げよう!
ユース世代が演劇の続け方を試す場「演劇ネットワークぱちぱち」では、「観劇ツアー」という企画を過去にも複数回開催してきました。
2024年は、なんと!
ホリプロ主催 舞台『未来少年コナン』(5/28~6/16・東京芸術劇場)との特別企画です!
観劇ツアーとは?
みんなで舞台作品を観て、上演団体と繋がって、感想を語り合おうという目的のもとに開催されている演劇ネットワークぱちぱちの人気企画。
過去の実施レポート:https://hachiojibunka.or.jp/play/net88/event_cat/kangeki
特別企画の第2弾として、舞台『未来少年コナン』稽古場見学会を開催しました!
プロの現場を間近に見ることができる貴重な機会でした!
稽古場見学会に参加したメンバーの感想
寺原航苹 (26歳。小屋+kop主宰。日芸演劇学科演出コース卒業。ワイ・プランニング所属)
公演関係者の皆様、先日は稽古場見学という貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
今回の稽古場見学で私の印象に残っていることは、インバルさんをはじめ、皆さんが創ろうとされていた、シーンのダイナミックな美しさです。
見学の際に私が見たのは、冒頭の船内のシーンでした。波に揺られる船の動きを、舞台美術と出演者と音楽の方々が合わせていました。舞台美術の方が揺らす船の帆柱の動きと、それに同調して揺れながら台詞を話す俳優。そのシーンを見て、最初私は違和感を覚えました。「日常的な文体の台詞」と「日常では決してしない重心移動」、ともすると作為的に見えかねないこの2つの同居を使って、演出家のインバルさんは何を創ろうとしているのか、と。
そんな思いで稽古を見ていると、やがて一定のテンポで聴こえてくる弦楽器の音に合わせる形で、帆柱と俳優の動きがピタッと合う瞬間があり、そのときインバルさんがうなづきました。インバルさんがうなづいたものは、例えて言えばダンスにおける群舞の美しさでした。
インバルさんは演出家・美術家だけでなく振付家としても世界で活躍され、ダンス作品を多く創られている方です。また、日本語話者ではありません。そのため、シーンを構成するにあたってはダンス的な感性で、日本語の台詞の意味に囚われず群舞としてのダイナミックな美しさを重視していると理解しました。
きっと、そうした卓抜した美的感覚・創作方法が言語の枠を超えて世界的に評価され、今回の舞台でも衣装や舞台美術が揃えばより大きなダイナミズムとなって舞台から観客へ迫ってくるのだろうと思います。
言語(特に日本語)を用いた舞台表現の可能性と限界、そんな大問題にまで手が届く世界的アーティストによる作品が観られると思うと、今から本番が待ち遠しいです。
改めて、稽古場見学という貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。公演のご成功を心より祈念しております。
伊藤優花 (26歳。演劇ネットワークぱちぱち広報チーフ。演劇ソムリエになりたい)
ここまで規模の大きな公演の稽古場に立ち入るのは初めてだったので、緊張した稽古場見学。
ミーハーな気持ちが全くなかったと言えば嘘になります。舞台やテレビで何度も見たことのある面々の舞台裏を見せていただく機会など、今までほとんどなかったし今後もあるかどうか分かりません。
そんなことを考えながら稽古場に足を踏み入れると、まず、稽古場そのものにも圧倒されました。広くて高さがあって、このワンフロアの中でいろんな人がいろんな役割を持っている。
上演される劇場の大きさを考えると当然ではあるのですが、この広さの中で、どんな風に人物が縦横無尽に動き回って劇世界が立ち上がるんだろうとわくわくしました。
肝心の稽古自体に関してですが、私が見学させていただいた時間帯は、コナンとジムシーが仲間になる場面の動きを主に創っていました。
英語と日本語が飛び交う中で、通訳さんを介したり介さなかったりして、「こうしてみようか」「こうするのがいいんじゃないか」と常に意見を出していた成河さんの姿が印象的でした。
そしてその後のシーンで出てくる、登場人物の心情としての萎縮・緊張感を視覚的に表す「ある演出」が私はすごく気に入っています。早くこの部分の面白さを誰かと共有したい!と思いました。
稽古場で創られているものはきっと日毎に変わっていって、見学させていただいたときから本番はさらにブラッシュアップされるはず。本番はどうなっているのだろう、と期待しています。
私は原作アニメを未見なので、どんなストーリーなのかを敢えて知らないまま観劇しようと思っています。
原作が既に評価を得ている作品であることを抜きにしても、新作の舞台として素直に楽しめたらいいなと思いながら、観劇の日を心待ちにしています。
関口真生 (早稲田大学4年。早稲田小劇場どらま館の学生スタッフ。演劇サークルでは演出や出演をする)
稽古の段取りを仕切っている演出助手の方や稽古場を動き回る技術まわりの方々の働き方が自分達のサークルの稽古場とは全く異なり、驚きの連続でした。
一番印象的だったのは和やかな稽古場に流れる程よい緊張感です。大きな舞台かつ多忙な方が多く出演されていて稽古時間も存分には取れないと思われる中、俳優の方々は細かい動きまで妥協せずにアレンジを加えながら、そして楽しそうに演技をしていました。演技を仕事にするということはどうしてもプレッシャーがついて回るのかなとイメージしていましたが、俳優の皆さんはそんなことを全く感じさせずのびのびと演じていました。しかし、和やかになりすぎて場が緩むことはなく、演出家と俳優の間には常に集中の糸が張っていました。そのバランスが絶妙で、新しい表現を生み出す場としてこれ以上ない空気感だと思いました。
貴重な機会をありがとうございました!
舞台『未来少年コナン』稽古場見学会(※応募受付は終了しています※)
日時:2024年5月8日(水)12:00~18:00
場所:都内某所(参加者のみにお伝えします)
定員:各回3名 (希望者多数の場合は抽選)
見学時間:①~④よりお選びください。
①12:00~13:30
②13:30~15:00
③15:00~16:30
④16:30~18:00
※時間は前後する可能性があります。
応募締め切り:2024年5月4日(土) 23:59
当落発表:2024年5月5日(日) 20:00
※希望者多数の場合のみ
参加方法
対象:18歳(高校生不可)~25歳で、演劇を続けたい思いのある方。
★ぱちぱちメンバーの方:
① BAND内のイベントカレンダーから、「稽古場見学会」のイベントを選び、参加希望を出す。
※第4希望までお知らせください。
② イベントカレンダーに記載してある方法で、『未来少年コナン』のU25チケット(6,500円)を購入する。
※既に個人的にチケットを購入済みの場合は、その旨お知らせください。
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今回、ご用意いただいているのは、こちらの回です!
会場:東京芸術劇場プレイハウス
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1丁目8−1
5月28日(火)18:30
5月29日(水)13:30/18:30
5月31日(金)13:30
6月1日(土)17:30 ☆定員に達しました。(4月11日)
6月3日(月)13:30
6月5日(水)13:30/18:30
6月6日(木)13:30
6月8日(土)17:30
6月11日(火)13:30
6月12日(水)13:30/18:30
6月13日(木)13:30
6月14日(金)13:30/18:30
6月15日(土)17:30
※各回、定員4名まで。先着順。
★ぱちぱちメンバーではない方:
まずは演劇ネットワークぱちぱちのメンバーになりましょう(無料)。
※上記のフォーム入力後、運営チームからご返信します。
※既にチケットをご自身で購入済みの方もご参加いただけます。その旨をフォームに入力してください。
「演劇を続けていくためのプラットフォーム」こと、演劇ネットワークぱちぱちとしては、多角的に創作の現場に触れる良い機会を提供すべく、本企画以外にもたくさんの企画を開催しています。
俳優志望の方だけではなく、プロデューサー、舞台スタッフ、制作志望の方、演劇が好きで、演劇との関わり方を模索している若いみなさんにとって役立つ場です。
ぱちぱちメンバーになっても何かを強要されることはありません。
LINEグループや、メーリングリストに登録するくらいの軽い気持ちで、ご参加お待ちしています!
ぱちぱちの運営チームは、演劇に関心のある人たちが緩やかにたくさんつながっていると、多くの人が健全に演劇を続けていくことができる状況が生まれると考えています。
主催が八王子市の外郭団体、(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団という公的機関なので(自分で言うのもあれですが)安心感もありますよ。
舞台『未来少年コナン』見どころ
チケットの値段がちょっとなあ…と思って戻るボタンを押そうとした方、ちょっとお待ちください!!
一般11,000円です。若い皆さんに見てほしい、その想いでホリプロステージさんが用意されたU25チケット6,500円。
さらに、この豪華キャスト、どどん!!
いやほんと、豪華キャスト。
しかも、演出・振付・美術を担当するのは、イスラエルの鬼才と言われているインバル・ピントさん。
日本でも優れた作品をいくつも発表しており、佐野洋子さんが書いた有名な絵本『100万回生きたねこ』を舞台化して読売演劇大賞優秀演出家賞・作品賞を受賞したり、村上春樹さんが書いた『ねじまき鳥クロニクル』を舞台化した作品が、再演までされるほど好評だったりしています!
さらに、先日『君たちはどう生きるか』でアカデミー賞の長編アニメーション映画賞を受賞した宮崎駿監督の初監督アニメの、初舞台化。
もう、話題になる要素がてんこ盛りですね。
チラシの画像をクリックすると、公式ホームページに飛びます。
クレジット
〇 舞台『未来少年コナン』
主催・企画制作 ホリプロ
共催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
© NIPPON ANIMATION CO., LTD.
“Incredible Tide”
Copyright © 1970 by Alexander Key
Stage performance rights in Japanese language arranged with McIntosh & Otis, Inc. through Japan UNI Agency, Inc.
〇 舞台『未来少年コナン』稽古場見学会
主催・企画制作:ホリプロステージ
共同制作:演劇ネットワークぱちぱち(運営:一般社団法人AsoVo)「観劇ツアー」チーム