あつマロ高校生!〜高校卒業後、演劇とどう付き合う?〜

こんにちは!ぱちぱち制作のまゆたそ(齊藤舞夕)です。

7月30日(日)マジゲキ『夏の夜の夢』千秋楽終了後、八王子の会議室ではとある座談会が行われました。

その名も『あつマロ高校生!〜高校卒業後、演劇とどう付き合う?〜』

これはマジゲキ公式キャラクターの
あつマロ

この夏新たに始まったプロジェクト「高校生とプロの演劇人が一緒に本気で演劇をつくる11日間」通称・マジゲキ。これは「高校生とプロの演劇人」という名前の通り、高校生をメインとした企画でした。(詳しくは以下のリンクをクリックしてみてください!)

しかし、「演劇ネットワークぱちぱち」は高校を卒業した18歳〜25歳までを主な対象としているプラットフォームです。つまり、15歳〜17歳の彼らは未来のぱちぱち(に入るかもしれない)メンバーなのです!

というわけでこの座談会は、普段は中々聞けない現役高校生たちの演劇に対するリアルな本音を聞いて、今後のぱちぱちのために生かしていこう!また、高校生が演劇を続けるにあたってハードルになっているものはなにか、リサーチしよう!という趣旨のもとに企画されました。

基本的に1人ずつ順番に喋っていくスタイルでした。

目次

・座談会に参加した人たち

・演劇、何らかの形でも続けたいと思う?

・この先、どんな風に演劇を続けていきたい?

 演劇に出会えたことをずっと大切にしたい

 保育士として、別の形で

 「表現」というものから、離れないでいたい

・演劇は生きていく上で使える武器

・演劇を始めたきっかけは?

 始まりはバレエ

 気が付いたら演劇フリークに

 好きなものの集合体が演劇だと気付いた

 運命に導かれた

 私の居場所はここだな

・座談会の最後に

・【座談会終了後・参加高校生へのアンケート結果】

・マジゲキ全日程を終えて

座談会に参加した人たち(敬称略)(順不同)

《大人チーム》

はーちゃん 演出家・脚本家。マジゲキのディレクターでありメインファシリテーター。『夏の夜の夢』では演出を務めた。演劇を始めたきっかけは「消去法」らしい。

キミー 俳優。マジゲキのサブファシリテーター。『夏の夜の夢』ではタイテーニア・ヒポリタを演じた。今後是非ともぱちぱちでダンスワークショップをお願いしたい。

おぎー マジゲキ『夏の夜の夢』プロデューサー。座談会では常に爆笑していた。

アキナ 23歳。演劇ネットワークぱちぱちディレクター。マジゲキ『夏の夜の夢』では演出助手・ワークショップアシスタントを務めたほか、衣裳メイク監修や裁縫など、マルチな才能を発揮した。

あおちゃん 大学3年生。演劇ネットワークぱちぱちのメンバー。マジゲキ『夏の夜の夢』では制作ながら、ワークショップアシスタントや妖精役としても大活躍した。大学では演劇の企画制作を学んでいる。

ジャッキー 大学4年生。演劇ネットワークぱちぱちのメンバー。マジゲキ『夏の夜の夢』ではライサンダーを演じた。大学では映像の編集を学んでいる。参加高校生のゆきりんから「ジャッキー兄ちゃん」と呼ばれていた。

すみす 大学2年生。演劇ネットワークぱちぱちのメンバー。マジゲキではワークショップアシスタントを務めた。カンパニーを優しく見守るお姉さんだった。

まゆたそ 24歳。演劇ネットワークぱちぱち制作。マジゲキ『夏の夜の夢』では制作・広報を務めた。この記事を書いた人。

《高校生チーム》

まるこ 高校3年生。マジゲキ『夏の夜の夢』ではディミートリアスを演じた。この座談会で演劇が大好きなことが更に分かった。

みゅー 高校1年生。マジゲキ『夏の夜の夢』ではヘレナを演じた。稽古出席率No.1高校生メンバー。自分の言葉を丁寧に紡いでいた。

むらさき 高校1年生。マジゲキ『夏の夜の夢』ではパック・スターヴリングを演じた。みゅーとは中学で同じ演劇部だった。さりげない発言内容がカッコよかった。

わさび 高校3年生。マジゲキ『夏の夜の夢』ではボトムを演じた。自分で脚本も書くなど、興味関心の幅が広い。もっと彼女の話を聞きたくなった。

ゆのこ 高校1年生。マジゲキ『夏の夜の夢』ではオーベロンを演じた。マジゲキが初舞台だった。自分の目指す方向がハッキリしている。

ワッサン 高校2年生。マジゲキ『夏の夜の夢』ではイージーアスを演じた。演劇を始めたきっかけは「哲学」。この座談会中、何度もみんなを爆笑の渦へと誘う。

ゆきりん 高校2年生。マジゲキ『夏の夜の夢』では音響を担当。名探偵コナンを見るとゆきりんを思い出す。将来、演劇好きをどんどん増やしてほしい。

ゆうみ 高校2年生。マジゲキ『夏の夜の夢』では演出補を務めた。妖精役も素敵だった。演劇を始めたきっかけを話す部分では、共感する部分が多くあった。

自分の過去について語ったり、未来について活き活きと語る高校生たちは、まるで昔の自分を見ているようで、みんなの発言中に何度も涙が出そうになりました。全部を書き記したいのは山々ですが、どんなことが話されたのか、私が特に印象に残った部分を中心に書いていきます。

演劇、何らかの形でも続けたいと思う?

まゆたそ:いま、(役者という職業に限らず)演劇の近くで生きていこうと考えている人はどれくらいいますか?

手を挙げる高校生たち

まるこ演出したり出たりできない人生なんて俺の人生その時点で終わってるなって思って、そういうレベルで自分のちゃんとハマれる場所だったから、やりたいと言うよりもやらなきゃ死ぬって感じ

一同:へええええ!!

ゆのこ:わかる!

まゆたその感想

「そもそもこれから先、演劇続ける?」8人の高校生座談会参加者の中で、6人が手を挙げました。私自身、「演劇の道に進もう」と決めたのは遅かったので、もっと「まだ迷っている」など曖昧な回答が出るかと思っていましたがそんなことはなく、高校生メンバーはそれぞれ自分なりに具体的かつしっかりとした考えを持っていました。「やらなきゃ死ぬ」とまで言い切った まるこにはビックリしました。

座談会終了後にオンラインでもアンケートを取ったのですが、その回答でもほぼ変わらない結果となりました。(アンケートの結果はこの記事の最後に記載しています)

この先、どんな風に演劇を続けていきたい?

(左から)おぎー、ゆのこ、わさび、ゆきりん
(右端)ワッサン

ゆのこ:いろんなのに出たいと思ってる。演出とかもやってみたい。一緒に舞台と立ちたいと思っている人がいるので、それを目指して頑張りたい。

わさび演劇に関わることなら何でもしたい。演劇という存在自体も好き。演劇をこれから引っ張っていく運営の仕事もすごく興味ある。出るのもすごく興味があるし、演出するのも興味がある。書くのも好きで、全部が好き

まるこ:わかる。

わさび:今はとりあえず演劇系の大学に入って、もしお金があれば大学院まで入って博士課程まで取りたいと思っている。目標としては。

夢としては、学校で芸術の分野って、美術と音楽だけじゃないですか。なんかイギリスとかに行くと演劇もちゃんと入っているので、日本は演劇しなさすぎだからこそ、心を開けてないところもあると思うので、そこをちゃんと制度的に入れられる世界になったらいいなって思う。

まゆたそ:同じです!

わさび:同じですか!さすがぱちぱち!

あおちゃん:高校の時に、そういうことを考えていて。

まるこ:私も考えてました。

一同:笑

まるこ:今も考えてますよ。

ジャッキー:演劇で経済回そうぜ!

わさび:それもそうだし、演劇って言葉だけじゃなく身体表現もしっかり使っているから、そういうところも世界共通のものを感じているから、どんどん発達していって欲しいなと思う。

演劇に出会えたことをずっと大切にしたい

(左から)むらさき、みゅー、はーちゃん

むらさき:なんかやっぱり、創作物ってやっぱり現実的なことを考えてしまうと、お金をすごい稼げるかどうかも落差があるわけで、ホントに、狭き門みたいなことをよく言われるので、ちょっと現実的なことも考えちゃうけど、やっぱり演劇っていうのに出会えたことをずっと人生大切にしたいなって思って…、なんだろう、仕事として演劇をしなくても、違う仕事をしながら、少しでも関われるようなことをしたいなって。だから、ぱちぱちのこともすごい良い場所だなって今回マジゲキに出て感じて、まだそんなに決まってないけど、演劇と関わっていきたいなって思っています。

保育士として、別の形で

ゆきりん:演劇は…これから…、私保育士になりたいので、学芸会とかで多分関わると思います。

まるこ:あれでしょ、「ほらそこ目線!」とか言うんでしょ(笑)

わっさん:音響は私がやるわ!って(笑)

(左から)ゆのこ、わさび、ゆきりん、ワッサン

ゆきりん:そこで演者として出ます。そこでまた演劇が好きだって言ってくれる子が生まれたら嬉しいなって

はーちゃん:すばらしい。

「表現」というものから、離れないでいたい

(左から)ゆうみ、すみす、おぎー

ゆうみ:将来は大学の事はまだ決めてないんですけど、将来は、いわゆるアートプロデュース的な、演劇に限らずなんですけど、なんかこう、何か言葉を伝えたい人がいて、それを誰かに伝える、その、真ん中の、つながりみたいな、作品を作る。言葉を目に見える形にして、届ける人になりたいなって、思ってて。だから、そこにたどり着ければ大学はどこでもいいかなって。ちょっと思ってるんですけど。

(中略)劇を見たときに、何か、勇気をもらったとか、何かそういう感情を与えられることに感動を覚えていて。それが演劇じゃなくても、例えば美術で絵を書いたりとか、「この絵を見てすごく感動した」って言う感情を与えられることが。しかも何も言葉にしてないのに、絵とかは伝えられるとか。演劇もその伝えたい趣旨の内容は言ってないんだけれども、なんか見た後に勇気をもらえたとか、そういう気持ちみたいなのがすごく嬉しくて。だから、本番の舞台裏が大好きで、緊張もするんだけど、でも「あーなんかこれからだなぁ」とかすごく思えるのが(好き)。あとみんなで練習している期間とか、今日は疲れたから休もうとか言ってる時間もちょっと楽しかったりして、そういうことに努力を惜しみたくないっていうか。いろんなことに挑戦して、自分ができる表現の幅を増やしていきたいなって思っています。

まゆたその感想

「どんな風に演劇を続けていきたい?」まずは共演したい人がいるというゆのこの話からスタートしました。高校1年生に「一緒の舞台に立ちたい」と思わせるのはどんな方なんだろうとものすごく興味が湧きました。

わさびは考え方が高校だった時の私とそっくりで、過去の自分を見ているような感覚になりました。大学を受験する前の「こんなことやあんなこともやってみたい!演劇がもっとこうだったらいいのに!」という勢いや胸に秘めた情熱を改めて思い出しました。「演劇」というものをもっと日本社会に広げて、演劇を使って色んなことがしたい。演劇を使えば社会をより良くすることができるはずだと、そんな風に思っていた高校生の私。原点を思い出しました。むらさきの『演劇っていうのに出会えたことをずっと人生大切にしたい』という言葉もそうで、高校生1年生でそんな風に発言できる彼女は凄いなと思いました。

ゆきりんとゆうみは直接的には演劇に関わらないかもしれないけれど、間接的にでも関われたらと言っていて、自分のやりたいことを明確に捉えているのが凄いなと感じました。自分が「演劇」というものに触れたからこそ、演劇を知らない誰かにそのやり方や良さを伝えられるんですよね。

演劇は生きていく上で使える武器

ワッサン:今さっき演劇を続けるかどうかで手を挙げてなかったんですけど、挙げてない側として言うと、自分的には、すごいでかい武器が手に入ったなと思っていて。演劇って演劇で学べることがすごくいっぱいあると思うんですけど、それはもちろん、この先演劇や演技を続けていく人にとっては生かしていけるものだと思うんですけど、別に生きている上でも使えるじゃないですか、て言うのを俺は思っていて。

例えば、すごい面白い授業をする先生がいるんですけど。古文ってレ点があるじゃないですか、「じゃあレ点の気持ちを可愛く言ってください」て言われて、授業中に。

一同:えっ?どういうこと?

ワッサン:「レ点の気持ちを可愛く答えてみましょう」みたいな。誰か言ってくれる人いますか?みたいなところで、何か1発やれたりして。

おぎー:どんな1発やったの?

ワッサン:行きますよ。いっこレ点がついてて、いっこ前の文字といっこ後の文字があって、いっこ前の文字が言ってる設定で…

「私の事はいいから、下の文字を読んだら、私のところに帰ってきてね」

一同:大爆笑

(左から)ワッサン、まるこ

ワッサン:まじで教室がバァンてなって、なんかそういう…まぁ今のは、うまくはまっちゃった例なんですけど。応用力が効きすぎてすごい自信がついたから。だからなのかわかんないですけど、すごい良いなって思います。

習い事でテニスとか、ピアノとかいろいろあると思うんですけど、他のものに比べてめちゃめちゃなんだろ…応用力があるというか、いろんなことに対して使えるものを、抽象的で申し訳ないんですけど、何か学べたなっていうのを思っていて、その点に関してはやればやるだけ得するなっていうか、そういう見方でも思っています。

キミー:いいと思う。

ワッサン:演技なんですよ。もうコンビニ入ったら客としての演技で家帰ったらもう一家の…

キミー:息子としての演技ね。役割としての演技。

ワッサン:そう、役割が変わるじゃないですか。だから演劇って面白いなって。

ゆきりん:言ってたもんね一番最初も自己紹介のとき、演劇を始めたきっかけは哲学だって。

ワッサン:よく覚えていらっしゃる(笑)人生が演技だとしたら、演技してない時はいつなんだろう?ん?なくないか?って。

キミー:休憩時間の話もすごい哲学的だよね。

ジャッキー:本書いたら?

まるこ:書けよ。

まゆたその感想

コミュニケーション教育や応用演劇に近い話が出ていました。わかる〜!(中学生の時の文化祭公演のタイトルが『Life is like a stage』でした。そういえばこれもシェイクスピアの『お気に召すまま』が元ネタですね。)私たちは環境によって役割を変え、いくつもの自分を持っている。1人でいる時でさえ、「こうありたい」と願う自分を演じているのではないか…。私もそんなことを考えていました。みんな考えることは同じですね!

演劇を始めたきっかけは?

始まりはバレエ

わさび:私が演劇に出会ったきっかけはバレエで、ちっちゃい頃に芝居とかしているときに、ほゆのちゃん(※わさびの本名)、すごく表情が面白いねとか言ってもらえたりしたので、そういうところから演劇を広げてって、演劇部入りたいなぁ、中学演劇部ないなぁ。やっと高校演劇部入れたなって、いろいろ友達と観劇とかしていく中で、あるときに平田オリザの劇を見て(当日パンフレットに折り込まれていた出演者募集のチラシで)「マジゲキ」に出会って、こんなのがあるんだと思って勇気を振り絞ってここにいます。

はーちゃん:ああ、そこからだったんだ。よかった。

おぎーよかったですね。折り込んで

わさび:こういう機会をもらったのがすごく嬉しくて、さらに将来の可能性を感じました。ありがとうございます。ぱちぱちも持続可能な演劇を考えることを目指していると(ぱちぱち総合ディレクターの中込さんが)言ってたので、すごい興味が湧いてます!

まゆたそ:ありがとうございます!

気が付いたら演劇フリークに

まるこ:思い出したんですよ。なぜ演劇を始めたのかってきっかけを思い出せないってことを思い出したんですよ。

一同:笑

常に笑いが絶えない座談会でした。

まるこ:(中略)気づけば、演劇フリークになってて。家に演劇の本がどっさりあって、イギリスの女優さんが書いた本があって、面白いって思いながら読んだりして脚本の本もあったりして、気がつけばゲーム・睡眠よりも、何よりも楽しいのが演劇の脚本を書くこと舞台に出ることで…イカれた生活になってしまって。

一同:笑

まるこ:11時から書き始めたら、あれ3時?あれ次の日?みたいな。

ワッサン:あんなに健康的だったマルコが…。

まるこ:演劇って怖いなぁって思って、演劇なしでは生きられない体にされてしまった。何か鬱屈したものは抱えていたと思うんですけど。

おぎー:鬱屈したもの笑

まるこ:1周回って救われた気分なので、これからも何とか人生の時間をどれだけ演劇に投入できるかが俺の人生だから頑張ろうと思います。

好きなものの集合体が演劇だと気付いた

むらさき:きっかけですよね。私はそんなに記憶がほぼない。気付いたら好きになってたっていうのが正直で。親がありがたいことに、小さい頃からバレエとかピアノとか、ちょっとボイスレッスンとかやったり。色々、表現とか歌うたうとか、絵を描くとか、ピアノするとか、そういう表現系のものをすごいやらせてくれてたお陰で、そういう表現するものが好きで、将来の夢とかもコロコロ変わって、歌のお姉さんになりたいとか、絵描きになりたいとか、めっちゃコロコロ変わってたんですけど、なんか色んなもの好きだと、「あれ、演劇って、これ全部できんじゃね?」って。

(左から)むらさき、みゅー、はーちゃん
(左から)おぎー、ゆのこ、わさび、ゆきりん

まるこ:イエス。そう!ザッツライト!

一同(一斉に頷く)

むらさき:だって舞台に出れば歌も歌えるダンスだってできるし、舞台美術行けば絵も描けるし…

まるこ:(机を叩きながら)そう!自由なんだよ!

一同:笑

むらさき私が好きでやってきたものの、集合体がまさに演劇って言うものだなって、わかった瞬間、演劇にはまったんだなっていうのが、多分きっかけですね。

ワッサン完璧だ………(静かに呟く)

一同:大爆笑

キミー:元気出るね。

キミー

運命に導かれた

ゆきりん:私が演劇を始めたキッカケ……消去法です。

一同:へぇー。

はーちゃん:私もそうだった。

まるこ:運命の導きとかかもよ。

ゆきりん:それね、部活の人にすごい言われた。

演劇部って変人が集まるところなんです。なんか(私)みんなから変人だって言われるんですよ。よく。

「だから、あなたは導かれたんだ。運命に」って。

(左から)ゆのこ、わさび、ゆきりん、ワッサン

一同:爆笑

ゆきりん:変人だから、演劇部に入る運命だったんだって言われて。その時私変人じゃないんだけどなって思って入ったんだけど、演劇部にはいっちゃった私変人なのか…。

ジャッキー:俺だって、戦隊ヒーローのレッドに憧れて、この世界入ったから。

(左から)まるこ、あおちゃん、ジャッキー

ゆきりん:そしたらお父さんが…

キミー:誰も(ジャッキーの発言を)拾わない(笑)

一同:爆笑

まるこ:(ジャッキーに向けて)それは熱いですよ!!

私の居場所はここだな

みゅー:ちっちゃい頃、私の性格が今とは逆で、すごい引っ込み思案で友達ともうまく話せないような子でそんな感じだったから、誰かに見られるとかそういう誰かに興味を持ってもらうとかそういう経験をしたことがなくて、でも(中略)小学校6年の学習発表会の時に初めて舞台に立って、それがもうものすごく楽しくて。そこで初めて人前で大きな声を出したし、何か自分を出す・自分に視線を向けさせる・自分に興味を向けさせることをして、それがなんかすごくしっくりきて、演技をすること、舞台に立つことっていうのが、すごく自分に必要なことだなって思って。すごいよく覚えてるんですけど、本番の時にステージの上で「私の居場所はここだな」って直感的に思って、そこからが演劇にはまり込むきっかけで、中学校に入って演劇部に入って。それがきっかけです。

はーちゃん:よかったね。むらさきと共演できて。(みゅーとむらさきは同じ中学の同級生です)でも一緒の出番なくてごめんね。でも、ちょっと操ったりね、したよね。

ワッサン:そうやって演劇で、やっていくことで、その、人との関わりとかが、関われるレベルがどんどん上がっていけば、確実に、演劇をやった過去の自分ていうのはいるから、それを経て、レベルアップしたって事は、(例えば)今回の期間で学んだ事は、舞台の上じゃないところでも生かせてるっていう、ことになってるんじゃないかって思う。

ジャッキー:もう本買う!

一同:笑

みゅー:今回ダンスやって、体使って動くっていうのがすごく楽しかったから、もうちょっとダンスとか社交ダンスなり普通のダンスなりがんばってやってみたいなって思う。

キミー:(食い気味で)教えにいく。

一同:笑

キミー:マンツーマンでやる。バレエがいい?コンテがいい?ジャズがいい?アクロバットがいい?

むらさき:強すぎる…!

みゅー:アクロバットとかやってみたいです。

あきな:キミーのダンスレッスンぱちぱちでやりましょう。

アキナ

ジャッキー:めっちゃやりたい

むらさき:いいなぁ

まゆたその感想

わかるーーー!!(n回目)とみんなの話を聞いて何度も何度も首を振りました。特にむらさきの「演劇はダンスも歌も絵も何でもできる」という話は座談会のメンバーのほぼ全員が頷き、場が一気にヒートアップしました。やっぱりみんな考えていることは一緒みたいです。

みゅーの「舞台に立って凄くしっくりきた」という話は私もとても共感することばかりで、静かにゆっくりと丁寧に自分の言葉を紡ぐ姿に、上手く言えないですが、暖かく大きな気持ちが湧き上がってきたのを覚えています。

戦隊ヒーローに憧れていたジャッキーの話も掘り下げたかったです。ごめんジャッキー。

座談会の最後に

はーちゃん:大丈夫?最後に言いたいことない?

みゅー:私は演劇がなかったら、とっくのとうに心が折れて死んでたし、演劇に出会ったから生きているし、これからも演劇続けていきたいなって思って、舞台だけじゃなくて、ドラマとかそういうのとかもすごい気になってて、いろんな経験をしたいしいろんな人と演劇を通して出会いたいなって思ってます。何か有名になれなくてもいいし、すごいって思われなくてもいいけど、ちゃんと自分を生きたいなって思ってます。

(左から)むらさき、みゅー、はーちゃん、ゆうみ

キミー:カッコいいね。

はーちゃん:最後に、すごいかっこいい言葉が。言葉にするって宣言するってことだから、すごい勇気が要るよね。

まゆたそ:そろそろ終わりの時間です。みなさん本当にありがとうございました!長い時間お疲れさまでした!

【座談会終了後・参加高校生へのアンケート結果】

あなたは今後、演劇を続けていきたいですか?

・(どんな形であれ)そう思う:5

・わからない:1

あなたが「演劇を続けたい」と思っている場合、ハードルになっているものはありますか?

・確実に売れる、活躍していける、それ一本で生活していけるという保証がないこと。

・演劇の道だけで生活するのは難しいこと 狭き門だということ。

・なし。

・なし。

・仕事や学業との両立。

・精神面が少しだけ

今後演劇とどう向き合っていきたいですか?(何をしてみたいか)

・もっと色んな劇にでる。 ダンスや、アクロバットやってみたい。 オーディションたくさん受ける。

・役者として 舞台などを公演するための運営側。

・演出、戯曲、演技、を通じて、人の心に訴えかけるような舞台を作りたい。まだ日本にないような劇のあり方をどんどん追求して広げていきたい。自分の生きている世界が広く、奥深く感じるような舞台を作りたい。もっと上手いと思われる様な劇をしたい。

・私はたぶん、演劇を仕事にすることはないと思います。しかし、観に行ったり、また、私は保育士になりたいので、保育士になって、子どもたちと演劇をすることになったら、子どもたちに演劇を好きになってほしいと思います。 

・アングラ、小劇場、静かな演劇、商業演劇、実験演劇、テント、野外、インプロ、イギリス演劇、ロシア演劇、フランス演劇、映像、2.5次元等々、この世に数ある演劇を、たくさん見て、たくさん出演して、たくさん演出して、たくさん脚本を書いて、そしてなにか、演劇にお返しできたらなと思います。

・地方公演とか大変そうだけど楽しそうだなって思ってます。

今回マジゲキに参加してみて良かった点はありますか?

・やってよかった!楽しかった!自分が演じたキャラクターのことをどんどん好きになっていった。

・台本の読み方、考え方を学べた。

・舞台ってトラブルがつきものだなと思った、けど、ハプニングにどんどん対処できるようになっていく自分がいて嬉しかった。

・プロの大人と演劇ができてよかった。

・11日間という濃厚な時間を過ごせてよかった。

・オペがすごくきつかったけど、工夫したりするのが楽しかった!はーちゃんのダメ出しを聞いて、伝え方や段取りの仕方を学べた。

・地区大会に活かして頑張りたい。WSを通じて大人と会話する能力が身につけられたことが良かったと思う。

・今後企画が連鎖していくと思うと面白い。いつか大人側としてやってみたい。

今回の経験が今後の人生にどう関わってくると思いますか?

・演劇の経験は人生の根幹となり、生活の基本になると思います。

・人との関わり方や演技面の成長に関わってくると思う

・大人やプロの方々と関わる上で、堂々と、且つ、尊敬の意識を持って関わっていけるような力を手に入れたような気がします。休日に6時間も稽古するので、体力もついた実感があります。大人が演出し、稽古をされる様子を肌で感じたので、今後自分がやっていく上で、参考になりました。演劇の世界は狭いので、このメンバーで出会った人たちが今後の活動で、出会ったりする可能性もあるので、その時に安心するんじゃないかと思いました。

・部活で、今回教えてもらったフリー音源サイトを使ったりなどで関わってくると思います。

・原点になると思います。少なくとも分岐点ではあるのかなと。

・ものすごく思います。

あなたの将来の夢は何ですか?

・舞台、映画、ドラマ、様々な場面で活躍する役者。

・役者か演劇を広げられるような仕事。

・役者、戯曲家、演出家、演劇系のセラピスト、演劇の先生、抽象的なものになりますが、日本で劇の革命を起こしたい。

・保育士。

・この世界の美しさをこめたいいものを遺すことです。

・俳優!

マジゲキ全日程を終えて

自分の思いを他の人がいる中で堂々と言えるみんな、超かっこいい!本当に心からカッコいいと思いました

今回の高校生たちは自分の意思でマジゲキに参加して、シェイクスピア『夏の夜の夢』という大きな壁に立ち向かい、自分と向き合った。もちろん演劇公演を打つ以上は千秋楽まで無事に終えて一定の評価を得ることが大切ですが、この「マジゲキ」においては、その過程こそが最も尊く大切なことであったのだと思いました。

また、この座談会では演劇のことから自分自身のプライベートなことまで様々なトピックが話されたことで、稽古場では見えなかった高校生たちの新しい側面が見えた気がしました。4月末のワークショップから数えると約3ヶ月間。たった11日間の稽古とはいえ、長い時間を共にしたからこそできた座談会だったと思います。広報担当として沢山の写真を撮ってきた筈なのに、私はみんなのことを全然知らなかったんだなと自分の視野の狭さを反省しました。

これから先みんながどんな道に進もうとも、今回の経験が何かの糧になりますように。自信になりますように。そして、みんながこの先も演劇を好きなままでいてくれますようにと願いながら、帰っていくみんなの後ろ姿を見つめていました。

座談会終了後、名残惜しそうに留まるみんな

以下は、この座談会の趣旨であった2つのトピックに対しての私なりの感想です。

「今の高校生たちの本音(将来何がしたいのかなど)を聞き出す」

これに関しては、予想以上に高校生の興味関心が私と似ていました。演劇は色々な場面で使える武器だという考え方や、演劇を制度として日本に入れたいという思いは私も同じです。実際に高校生の時点でも同じことを考えていたので、世代の違いはあれど、考えていることは変わっていないことが分かりました。そして繰り返しになりますが、みんな考えることは同じだということが分かりました

「高校生が演劇を続けるにあたってハードルになっているものはなにか、リサーチする」

むらさきが発言した「演劇の道だけで生活するのは難しいこと 狭き門だということ」。やはりこれが全てではないかと思います。「演劇を制度として日本に入れたい」というわさびの言葉も本質的には一緒なのかなと感じました。文字として書き残してはいませんが座談会の中で「美大を親に反対されている」という話が出たことも、これに起因するのではないでしょうか。「芸術系に進学したとして、それでお金を稼げるのか?」という不安要素です。更に芸術系の大学は学費も一般の大学より高く、そこに対してのハードルもあります。在学中、自分で働いて学費を稼いでいた友人や、奨学金を複数借りていた友人も沢山いました。私の場合は親が学費を出してくれたので、「将来演劇をやりたいんです!」と情熱をひたすら親にアピールしていた記憶があります。

演劇ネットワークぱちぱちは、「自分らしい演劇の続け方」を考えたり試したりするための「仲間」「知識」「場所」と出会えるプラットフォームです。演劇も続けるためにはお金を稼がなくてはなりません。しかし今の日本の現状では、演劇を使ってお金を稼ぐことはなかなか困難です。特に役者・俳優に至っては、どうすれば活躍できるのか、どうやってスキルを磨いていくのか、その階段さえありません。そもそも職業として成り立っているのか?と思うこともあります。「大手の事務所に入る」?「劇団に入る」?「芸人やモデルとして売れれば」?「テレビに出られれば」?確実なものは何もありません。そんな現状も含めて、私はぱちぱちの運営側として演劇の続け方を模索している最中です。いつか自分なりの答えを見つけたいです。

以上、ぱちぱち運営・制作のまゆたそでした!ありがとうございました!

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