【映像配信中!】【レポート】2022/12/16.18上演・八王子ユースシアター参加「ラブ・フレンド・ランド」/「ある?ない?」

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目指すこと

八王子で、ユース世代の力が引き出された演劇を上演する企画。公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団の演劇事業「八王子ユースシアター」と協働。また、立ち上げて2年目の演劇ネットワークぱちぱちの課題「運営によるコンテンツが多く、ユース世代が自主的に立ち上げた企画が少ない」を改善するための第一歩として、30歳以下の演出家を公募して、出演者・スタッフも25歳以下中心のチームを作った。

演出家募集の詳細

演出決定までの経緯

中込、早坂、荻山で審査。定員1人、1作品の予定だったが、相談の上、2人、それぞれ1作品(計2作品)で合意。理由は大きく2つ。①応募者それぞれの良さがあり、1人に絞り切れなかった。②コロナ禍ということもあり、短い作品を2演目上演することにしてリスクヘッジを図った。2演目によるリスク(煩雑になる、コミュニケーションが難しくなる)も生まれるが、はかりにかけて2演目を選んだ。

上演チーム決定までの経緯

ディレクター・プロデューサーと相談の上、平井寛人は出演者をぱちぱち内外で公募。第一次・第二次オーディションを経て、4名の25歳以下の出演者を決定。京サリは自身も出演する計画のもと、経験・技術面でサポートする年長の俳優・降井サットウと、ぱちぱちメンバーの大学2年生・前田柚希をスカウトした。

制作は、初挑戦の大学3年生の朝川風香。照明・音響は、それぞれ専門の学校で学んでいる葛西優風と滝山蓉。舞台監督は大学2年の田中舞音・若松美佑が務めた。

平井寛人作品・出演者募集の記事(1次募集・2次募集)

公演情報まとめ

重要:出演者変更のお知らせ(2022.12.16 13:00更新)

八王子ユースシアターの全舞台一斉上演会“TAMARIBA”にて、12月16日(金)、18日(日)に上演する演劇ネットワークぱちぱちの出演者、朝果さんが新型コロナウイルスの濃厚接触者と認定を受けたため、誠に残念ではありますが、降板せざるを得ないとの判断に至りました。代役は立てず、演出を変更することで対応いたします。

安全に本番が迎えられるよう、関係者一同、感染予防対策を徹底致します。ご希望の方には払い戻しのご対応をさせて頂きます。お手数ですが、下記までご連絡をお願いいたします。

公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団
 042-621-3005(9:00 – 17:00)


(12月6日:上演台本を一部公開しました)

(11月29日:フライヤービジュアル公開しました)

(11月26日:演出メッセージを更新&追記しました。チケット販売詳細を掲載しました。ディレクターメッセージを公開しました。)

(10月29日:作品タイトルを変更しました)

(10月13日:情報公開しました!)

デザイン:こばやしかのん https://twitter.com/canon_gd

演劇ネットワークぱちぱちでは、今年も「八王子ユースシアター」に参加します。

「演劇を見たことのない人にも響く舞台を作る」をテーマとして、将来演出家を志す30歳以下の演出者、平井寛人と京サリが、25歳以下を中心としたチームを作り創作に挑みます。ユース世代の挑戦を見届けてください!

演出メッセージ・プロフィール

はじめまして! 「演劇を見たことのない人にも響く舞台を作る」という事を1番に見つめつづけて、ただ丁寧にというよりかはダイナミックかつ思いやりにフルコミットしたクリエイションを本番まで東京の片隅でつづけています。キーワードは①テーマパーク ②無国籍 ③独自の文化での風変わりな習慣 みたいなところかなといま予感しています。なお、大きく変わる可能性もあります。オシャレして観に来てくださると嬉しいです!

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演劇を創るにあたって、その環境は大きな影響力を持ちます。私は普段小劇場の劇場職員をしていて、4年前に出した応募動機にも同様の事を書いてから引き続き考え続けているのですが、その環境が劣悪になり、制限ばかり課せられ、緩まる傾向を見せない時、そこには荒廃した舞台しか残らなくなると予感しています。

しかし最近になって、時代の潮流ともいえるビビッドな作品に触れる機会が多くありました。比肩する同様の創作をしたいと考えた時に、今ある環境はとても頼りになります。負けないぞ、今は節目だぞという責任や意識を負いながら、明るく風通しの良い演劇を、ここ八王子の地からお届けできればと思います(*^_^*)『ラブ・フレンド・ランド』という作品は、ほぼ全編オリジナル音楽に乗せた俗にいうソングスルーになる予定です。ぼーっとしていてもどこか目や耳に残るふうに提供できればと思います。太い境界をまたいでいくような、様々な価値観に向けて古い制度が非対応な現代で、その過渡期そのものを来るべき崩壊とともに寓話的にお届けしたいです。尽きない葛藤とか、非向上的な適応など、テキパキと現像する心意気です(o^^o)

平井寛人(尾鳥ひあり/FUKAIPRODUCE羽衣)

1996年生まれ、26歳。千葉県柏市出身。普段は、事態が膿んで膿ませてぐっじゅぐじゅになったところから思うままにやってみる、というテーマで表現活動をしている 。


ないものとは?あるものとは?それは本当にそこにある?触れる?見える?感じられる?あるものないものについてあれこれ考え、話し、動く人たちのお話です。パントマイムを使ってないものやあるものを表現する予定です。それが本当にそこにあったのかどうかあとで教えてくださいね。

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あるものとないものとはなんでしょうか。目に見えるものはあるけれど、目に見えないものはない。これは明確な「ある」と「ない」だと思います。

八王子に初めて来た時、街の穏やかさに懐かしさを感じました。子供の頃育った街に似ていて、何かあった時に帰ってきたくなるような安心感。普段活動をしている場所には「ない」雰囲気です。いつも活動をしている都心の方では少しヒリヒリする空気感、緊張感、張り詰めた何かが存在し、八王子の持つ空気感とはまるで違います。でもこれは逆に八王子には「ない」雰囲気。都心の忙しない時間軸で生きている自分からすると八王子はその固さを緩めてくれるような暖かさがあり、その土地で伸び伸び作った作品で本番を迎えるのが楽しみです。稽古場では土地の穏やかさが背中を押してくれるおかげか、今回はじめましての役者さんたちと共に面白がりながらあれこれ試行錯誤をして作っています。

ここではないどこかで、ある「ない」ものを探す人たちの様子を描きます。

八王子で作った作品で皆さんをお迎えできればと思います。 

京サリ

年齢非公開(30歳以下)。劇場やオンラインを中心に一人芝居を発表している。シンプルな舞台美術とパントマイムを使い、情景を浮かび上がらせる作風が特徴。近年は小説の執筆など活動の幅を広げている。

 

創作風景

最新情報:Twitterはこちら→ https://twitter.com/LFD2022121618

上演台本を一部公開します!

『ある?ない?』1ページ
『ある?ない?』2ページ
『ある?ない?』ラスト
『ラブ・フレンド・ランド』より
『ラブ・フレンド・ランド』より
『ラブ・フレンド・ランド』より

公演情報

日時:2022年12月16日(金)19:00 /18日(日)18:00 開場30分前
会場:八王子市芸術文化会館 いちょうホール・小ホール
〒192-0066 八王子市本町24番1号

入場料(2作品ともご覧いただけます)

(全席自由)
一般  3000円
25歳以下 2000円
高校生以下 500円

※チケット料金は公演に関わる若者たちが演劇を続けていくための経済的な負担の軽減に活用されます。

チケット発売日 11月17日(木)

◆販売窓口 9:00~19:00 (発売初日は10:00~)
いちょうホール 042-621-3001
南大沢文化会館 042-679-2202
学園都市センター 042-646-5611
J:COMホール八王子 042-655-0809

※いちょうホールと南大沢文化会館は月曜休館、月曜が休日の場合は翌日休館。

◆電話予約 9:00~17:00 (発売初日は13:00~)

(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団 042-621-3005

◆インターネット予約 (発売初日は13:00~)

※事前登録が必要です。

上演時間:90分ほどを予定(途中休憩あり)

キャスト・スタッフ

『ラブ・フレンド・ランド』

作・演出 : 平井寛人
出演 : 朝果・堀慎太郎・安藤優・上山史華

『ある?ない?』

作・演出:京サリ
演出助手  至ノ崎木京
出演 : 降井サットウ・前田柚希・京サリ

(2作品共通)

ディレクター:早坂彩
プロデューサー:中込遊里
舞台監督:田中舞音・若松美佑
照明:葛西優風
音響:滝山蓉
制作:朝川風香
広報デザイン:小林かのん

ディレクターメッセージ

将来演出家を志す30歳以下の演劇人のもと、25歳以下を中心としたチームで作品作りを行います。

コロナ禍で若手の創作機会減少が憂慮されるなか、若手演出家、出演者、スタッフが八王子に集い、安心して作品発表を行える場を作ることができればと、この企画の枠組みを考えました。

まずは演出家を公募し、その企画に興味を持ったメンバーが集って、作品を立ち上げる座組みができました。

届いた企画書は、千差万別で個性豊かでした。

ひとつの企画が、演出家と俳優の力で、醸成し、変化し、日の目を見る初日を目指して、八王子で立ち上がります。公演初日まで変化し続け、ここでしか見られないものが舞台上に在ることが、演劇の魅力なのかもしれません。

ぜひ足をお運びいただければと思います。

早坂 彩(演劇ネットワークぱちぱちディレクター/演出家・トレモロ主宰)


演劇は必要なのだろうか?

平成28年度の内閣府による世論調査の「この1年間に⽂化芸術を劇場などで直接鑑賞したことがあるか」への回答では、40.6%が「鑑賞したものはない」(演劇だけではなく美術や映画など⽂化芸術全般。演劇に限るともっと低いはず。) 「なぜ鑑賞したことがないのか」への回答では「時間がなかなか取れないから」が46.1%と最も⾼く、続いて「関⼼がないから」が28%。

八王子で、演劇を愛してやまないユース世代が演劇を上演する。テーマは「演劇を見たことのない人にも響く舞台」とした。

京サリは、「壁」という具体的で幅広いテーマを設定して、「想像力を引き出す」という演劇の楽しさの核を形作ることにシンプルに真剣に向き合っている。サリは中学時代から演劇に夢中で生きてきたという。いつでも楽しそうで、一緒にいるとその明るさをもらって私も元気になる。

平井寛人は、「都市の崩壊」というキーワードから、「宇宙」の深淵さに人間の姿を見る。「人の話を聞くのが好きなんです」と、嬉しそうに出演者たちと対話する。その宝の山を独自の視点で掘り起こして、台詞や音楽を生み出す。飄々としながらも情熱と強い意志を持って創作に向かう姿はちょっと危ない魅力がある。

演出のみならず出演・スタッフの若者たちの魅力も計り知れない。演劇の魔力は、言葉や身体という誰もが持つシンプルなものを通して、人と出会えることだ。

中込遊里(演劇ネットワークぱちぱちプロデューサー・鮭スペアレ主宰・演出家)

クレジット・問い合わせ

主催:公益財団法人八王子市学園都市ふれあい財団  042-621-3005 (9:00 – 17:00)
企画・運営:演劇ネットワークぱちぱち  network.pachipachi@gmail.com
八王子ユースシアター2022 つくる、タマリバ。参加作品   https://www.8yt.net/
令和4年度 文化庁文化芸術振興補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会

動員数

12/16 一般29名 25歳以下14名 高校生以下2名 関係者15名 計60名

12/18 一般26名 25歳以下19名 高校生以下2名 関係者15名 計62名

総動員数122名

観劇していただいた方からの意見

専門家からのフィードバック

観劇いただいた専門家の5名の方々からのフィードバックです。(以下のURLからpdfファイルがご覧いただけます)

https://drive.google.com/file/d/16vxdvdfBXnt6QYRdDKnMYff8xjQ5o5xX/view?usp=sharing

観客からのアンケートの一部

(20代・八王子市)

ハラハラしたり、笑いがあったりとあっという間の1時間半でした。
『ラブ・フレンド・ランド』では音楽と演技、演出の組み合わせによるカオスを強く感じました。終末においても人間の複雑さは変わらないだろうと思わされました。
『ある?ない?』はシンプルな題材であるからこその難しさがあったと思いますが、演者の高い演技力や豊かな効果音、話のテンポ感、締め方と最初から最後まで全く飽きさせることがなく素晴らしかったです。

公演に参加したユース世代による振り返り

※公演終了後の反省会で出た意見です。

・スタッフとのミーティングが足りず、連携不足だった。劇場入りしてからの時間も足りなかった。

・スケジュールの共有が遅いため、戯曲執筆に混乱が生じた。

・各セクションに対して、誰が受け皿となるのかが不明瞭だった。特にスタッフ周りにそれが顕著だった。

・学校の中の公演だと世界が狭くて苦しい。ユースシアター公演では色々な人と関われたのでよかった。だからこそもっと「安心できる」場であってほしい。

本企画プロデューサーによる振り返り

上演した作品に対しては観客や専門家からの評価も概ね高く、一定の成果は出たと思う。一方、参加者からの意見にもある通り、コミュニケーション不足・体制の弱さが明らかにあった。

その要因は、参加者の仕事の範囲や権限を明確に定められないままに企画がスタートしたことが大きいと思う。本企画のためにいろいろな場所から集まってきた人々で構成されたチームなので、各々に期待すること、仕事の範囲、権限を厳密に最初から決めて納得した上で進める必要があった。プロデューサー(中込)が見通しを立てるのが甘かったと反省する。

今後、一緒に創作する経験の少ないチームで作品をつくる際には、企画のコンセプトをより一層明確に定めたうえで、チームメンバーにそのコンセプトを何度も伝えつつ、権限を明確にして自信を持って仕事を進めてもらえるように、また、現実的に可能なスケジューリングをして、準備を甘くしないようにする。(中込遊里)