【終了】演劇のための長くてゆるやかなアーティスト・イン・レジデンス「八王子と鳥公園の一年目」
鳥公園のジコショウカイ展

鳥公園のジコショウカイ展は、いつもは鳥公園のみなさんが、自分たちの紹介をするための展示型イベントです。しかし今回は、18才~25才のメンバーで構成されている演劇ネットワークぱちぱちの2人に、企画・制作をお願いしました。ですので形式的には、厳密に言うとタコショウカイ(他己紹介)展です。

日に日に鳥公園の活動が好きになっている私たちは、ジコショウカイ展の準備を通して、一層鳥公園が好きになり、だから厳密に言うとタコショウカイ展なのですが、このジコショウカイ展を通して、鳥公園や、アーティストのみなさんに興味を持ってくれる人が増え、演劇公演やイベントに足を運んでくれるようになったら、まるで自分のことのように嬉しいので、やはりジコショウカイ展であると言える、という心持です。

— 荻山恭規(ディレクター/公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団)

日程

2月5日(日) 11:00開場   21:00閉場  (最終入場 20:30)
2月6日(月) 11:00開場   21:00閉場  (最終入場 20:30)
2月7日(火) 11:00開場   17:00閉場  (最終入場 16:30)

会場

学園都市センター 11階 ギャラリーホール
〒192-0083 八王子市旭町9番1号 八王子スクエアビル 11階・12階
JR八王子駅北口から徒歩3分 京王八王子駅から徒歩7分
https://www.hachiojibunka.or.jp/gakuen/

アーティスト紹介

鳥公園

2007年7月に劇作家、演出家の西尾佳織が設立。社会の中で人と人のあいだに引かれる境界線を、さまざまな形で問 い直す作品をつくっている。2019年に〈複数性の演劇〉=持続可能で本当にインディペンデントな創作活動に向けてのステートメントを発表し、2020年度より和田ながら(したため)、蜂巣もも(グループ・野原)、三浦雨林(隣屋) の3人の演出家をアソシエイト・アーティストに迎えて、西尾は劇作と主宰業に専念する新体制に移行。創作活動の基盤を整える「お盆部」(=宣伝美術・鈴木哲生、会計・五藤真、マネジメント・奥田安奈)とともに、活動報告会や決算報告会、アニュアルレポート作成など、プロセスの公開にも積極的に取り組み、作品づくりと創作環境の構築を同時進行で進めている。

HP:https://www.bird-park.com/home

内容

展示スペース(無料)

1.  鳥公園のこれまで、これから
2007年7月の結成時から保管している過去の戯曲や創作ノート、フライヤーなど、これまでの鳥公園の足跡がわかるような展示を行います。また、鳥公園がこれからどこへ向かっていくのかについても触れていきます。

2.  鳥公園への「50の質問」
鳥公園に関わる人々に「50の質問」を投げ、その回答を展示します。質問に対しての回答を通して、鳥公園に関わる人々がどのように創作活動に臨んでいるのか、その頭の中を覗き見る展示です。質問内容は企画・制作の演劇ネットワークぱちぱちに所属している18才~25才のメンバーが作成します。

3.   『ヨブ呼んでるよ -Hey Job’s calling you!!』の創作現場
2023年3月にいちょうホールで上演予定の『ヨブ呼んでるよ -Hey Job’s calling you!!』の稽古に、演劇ネットワークぱちぱちに所属しているメンバーが帯同しています。彼らが記録した、客観的かつタイムリーな創作現場のいろいろを展示します。

4. 昼の街を歩く ワークショップ/A『街の景色が、帰り道になる』

2024年3月に予定している『昼の街を歩く』の上演に向けて、演出の蜂巣ももさんが2022年10月から11月にかけて八王子に滞在して行った調査、ワークショップの成果を展示します。創作の前段階で演出である蜂巣ももさんがどのようなことをしているのかに迫ります。

展示スペース 企画・制作

森口夏希(演劇ネットワークぱちぱち)

私は、2022年からはじまった「演劇のための長くてゆるやかなアーティスト・イン・レジデンス(略称:ゆるAIR)」の企画を通して鳥公園を知りました。アーティストのみなさんと一緒に戯曲を読んだり、八王子の街を歩いたりしました。斬新な発想に感銘を受け、人柄の温かさにたくさん触れました。まだ鳥公園を知ってから一年も経っていない私ですが、様々な企画を通してその魅力を少しずつ知っていく過程を、とても楽しんでいます。

そこで今回のジコショウカイ展では、今、鳥公園をどんどん好きになっている私が感じた創作活動の魅力を、展示を通して紹介できたらと思っています。また、鳥公園のみなさんが八王子で実際に活動してみてどのようなことを感じ、考えたかも垣間見れる展示にできるよう計画中です。みなさんに楽しんで頂ける展示を目指します。ご期待ください!

イベントスペース(一部有料)


2月5日(日)

11:00 ~ 12:00 オープニングトーク
トークゲスト:西尾佳織

入場料:無料
定 員:20名
対 象:年齢制限なし
申 込:不要 ※当日先着順

展示:鳥公園への「50の質問」から気になったものをチョイスし、演劇ネットワークぱちぱちの若いメンバーが、恐れをしらない感じで根ほり葉ほり聞いていきます!
西尾さんには、鳥公園の10年後の話とかも聞いてみたいと思っています。


2月5日(日)

12:30 ~ 14:30 過去作品の上映会 鳥公園#11『緑子の部屋』(2015年再演版 ) 劇作・演出 西尾佳織
アフタートーク:鈴木哲生 西尾佳織
上映時間:80分 アフタートーク:35分(予定)

入場料:500円  ※当日、現金でのお支払いとなります。
定 員:20名 (先着順)
対 象:高校生以上
申 込:要申込。下記のURLからお申込みください。空きがあれば当日の受付も可能です。
URL: https://forms.office.com/r/fnpwkxuZTc

作品紹介
不在の女をめぐり、語るほどすれ違い、遠のく記憶­—­—。    
ある日、緑子がいなくなりました。緑子の友人、恋人、兄が集ってそれぞれに、自分と緑子の話、自分から見て「お兄さんと緑子はこう見えてた」、「彼氏と緑子はこう見えてた」、「友達と緑子はこう見えてた」、「え、そんなこと言われたくないんだけど」、「や、でも緑子からはそう聞いてたし」、「ていうかお兄さんってサー」・・・・・・。
話すほど、遠のきます。緑子の不在、ポッカーン。
出展: 鳥公園#15『緑子の部屋』 公演特設サイト(https://11midoriko-torikouen.mystrikingly.com/


2月5日(日)

1回目 15:00 ~ 16:00  2回目 16:30 ~ 17:30 ※1回目と2回目は、同じ内容です。
ワークショップ 『心霊から、近隣へ』
ファシリテーター:竹内ミズキ  ワークショップ監修:蜂巣もも

入場料:500円  ※当日、現金でのお支払いとなります。
定 員:各回6名(先着順)
対 象:高校生以上
申 込: 要申込 。下記のURLからお申込みください。 空きがあれば当日の受付も可能です。
URL: https://forms.office.com/r/fnpwkxuZTc

演出家・蜂巣ももさんの関心事について、ヒヤリングを重ね、その魅力を共有できる体験をご準備します。
今回のテーマは「心霊」。
当日は、蜂巣さんも参加者として皆さんと一緒にワークショップに参加します。


2月5日(日)

18:00 ~ 20:00 昼の街を歩く ワークショップB/創作プロセス公開『劇作家とドラマトゥルクで戯曲を検討する』
劇作家 西尾佳織  ドラマトゥルク 長島確

入場料:無料 
定 員:20名(先着順)
対 象:高校生以上
申 込:要申込 。下記のURLからお申込みください。 空きがあれば当日の受付も可能です。
URL: https://forms.office.com/r/fnpwkxuZTc

2022年2~3月に初演を行った『昼の街を歩く』の戯曲を、2023年度の上演に向けて、劇作家の西尾佳織さんが検討します。戯曲検討の伴走者にドラマトゥルクの長島確さんをお迎えして、劇作のプロセスを公開します。

この日の在廊予定の関係者
©引地信彦

鳥公園主宰
西尾佳織 Kaori NISHIO

1985年東京生まれ。劇作家、演出家。幼少期をマレーシアで過ごす。
東京大学にて寺山修司を、東京藝術大学大学院にて太田省吾を研究。2007年に鳥公園を結成以降、全作品の脚本・演出を担当してきたが、2020年より劇作、主宰業に専念。作品とアーティストと社会がより長いスパンで成熟していけるように、創作の環境そのものからつくり直そうと試行錯誤中。2014年に『カンロ』、2018年に『ヨブ呼んでるよ』、2020年に『終わりにする、一人と一人が丘』で岸田國士戯曲賞にノミネート。近年は、からゆきさんのリサーチや、幼稚園児~大学生との創作にもライフワーク的に取り組んでいる。

鳥公園お盆部 宣伝美術
鈴木哲生  Tezzo SUZUKI

1989年神奈川県生まれ。グラフィック・デザイナー。2013年東京芸術大学美術学部デザイン科卒業後、隈研吾建築都市設計事務所勤務を経て、2015 年オランダ KABK デン・ハーグ王立美術アカデミー タイプメディア修士課程を修了。
HP:www.tezzosuzuki.com

鳥公園アソシエイトアーティスト
蜂巣もも Momo HACHISU

1989年生まれ、京都出身。演出家。青年団演出部所属。グループ・野原主宰。2013年からより多くの劇作家に出会うため上京し、青年団に所属。戯曲が要求する極限的な身体を引き出すことで、圧縮された「生の記憶」と観客が出会う場所を演出してきた。2017年庭師ジル・クレマンの「動いている庭」に感銘を受け立ち上げたグループ・野原にて、演劇/戯曲を庭と捉え、俳優の身体や言葉が強く生きる場として舞台上の「政治」を思考する。

長島確/ドラマトゥルク

1969年東京生まれ。ドラマトゥルク。舞台字幕や上演台本の翻訳から劇場の仕事に関わり始める。やがて演出家や俳優の創作のパートナーとして、ドラマトゥルクの肩書で演劇・ダンス・オペラの現場に参加。劇場のアイデアやノウハウを劇場外に持ち出すことに興味をもち、アートプロジェクトにも積極的に関わる。2018〜20年フェスティバル/トーキョーディレクター。21年より引きつづき東京芸術祭のディレクションに関わる。東京藝術大学特任教授。


2月6日(月)

11:00 ~ 12:00 オープニングトーク
トークゲスト:五藤真

入場料:無料
定 員:20名
対 象:年齢制限なし
申 込:不要 ※当日先着順

展示:鳥公園への「50の質問」から気になったものをチョイスし、演劇ネットワークぱちぱちの若いメンバーが、恐れをしらない感じで根ほり葉ほり聞いていきます!
五藤さんには、みんなが幸せになる創作環境づくりについても聞いてみたいと思っています。


2月6日(月)

12:30 ~ 14:30 過去作品の上映会 鳥公園#8『カンロ』(2013年) 劇作・演出 西尾佳織
アフタートーク: 五藤真 西尾佳織
上映時間:65分 アフタートーク:50分(予定)

入場料:500円  ※当日、現金でのお支払いとなります。
定 員:20名 (先着順)
対 象:高校生以上
申 込:要申込。下記のURLからお申込みください。空きがあれば当日の受付も可能です。
URL: https://forms.office.com/r/fnpwkxuZTc

作品紹介
これはたぶん、ストーカー的に誰かを好きな女の人の話で、その恋は全く報われていない、報われる気配がない(というか相手が実在するのかも怪しい)、のだけれど、それゆえにかえって独自の深化をとげて、不思議な塩梅で彼女を支えています。

それは、執着といえば執着で、でも不思議とねじくれたところなくスキッとしている。
他人に迷惑かけてない。ヘルシー!

「いい子にしていたからこれをあげましょう」なんてちゃちな交換条件じゃなく、忘れていた頃、すっかり擦り切れて、ヤサグレかけていたところに降りそそぐ、甘い露。
遠いご褒美。
カンロ、カンロ。
出展:鳥公園#8『カンロ』チラシ


2月6日(月)

16:00 ~ 17:30 ワークショップ『私の知らない、あなたの声』を声に出して読む
ファシリテーター:西尾佳織

入場料:500円  ※当日、現金でのお支払いとなります。
定 員:8名(先着順)
対 象:中学生以上
申 込: 要申込 。下記のURLからお申込みください。 空きがあれば当日の受付も可能です。
URL: https://forms.office.com/r/fnpwkxuZTc

2021年に和田ながらさんの演出で、THEATRE E9 KYOTO、ストレンジシード静岡2021での上演を目的として書き下ろされた 『私の知らない、あなたの声』 を、集まったみんなで声に出して読んでみます。


〇当日使用する戯曲テキストについて
戯曲は当日配布いたします。※著作物のため、ワークショップ終了後に回収いたします。
また、下記のホームページから購入可能です。
冒頭は無料で公開されています。


2月6日(月)

18:00 ~ 20:00 過去作品の上映会『私の知らない、あなたの声』(2021年) 演出 和田ながら/劇作 西尾佳織
インタビュー映像(録画):和田ながら
上映時間:60分 インタビュー映像:30分(予定)

入場料:500円  ※当日、現金でのお支払いとなります。
定 員:20名 (先着順)
対 象:高校生以上
申 込:要申込。下記のURLからお申込みください。空きがあれば当日の受付も可能です。
URL: https://forms.office.com/r/fnpwkxuZTc

作品紹介
その人は古い友人だと言った、私の恋人だったあの人の。私はその人を知らなかった。でもその人は私を知っていた。あの人がよく私の話をしたらしい。その人の口から聞くあの人は、私の知らない人間だった。その人は確かめに来た、あの人といた私のことを。その人はたぶん、恋人だったみたいだ、私の恋人だったあの人の、隠された。記憶の中のあの人の声がもう、前のように聞こえない。
出展:鳥公園ホームページ 『私の知らない、あなたの声』 プロジェクトページ(https://bird-park.com/works/watashinoshiranai/?pid=project

この日の在廊予定の関係者
©加藤甫

鳥公園お盆部 会計
五藤真 Makoto GOTOH

1985年生まれ。2014年から会計フリーランスとして複数の非営利団体、芸術文化団体に従事。2018年、「表現と文化のためのバックオフィス」を掲げる株式会社countroomを設立。個々人が各現場に赴き事務をサポートするスタイルを軸として、表現する人が安心して活動できる状況を創造すべく活動を続けている。

ゲッコーパレードメンバー/NPO法人国際舞台芸術交流センター理事/一般社団法人ベンチ監事

©引地信彦

鳥公園主宰
西尾佳織 Kaori NISHIO

1985年東京生まれ。劇作家、演出家。幼少期をマレーシアで過ごす。
東京大学にて寺山修司を、東京藝術大学大学院にて太田省吾を研究。2007年に鳥公園を結成以降、全作品の脚本・演出を担当してきたが、2020年より劇作、主宰業に専念。作品とアーティストと社会がより長いスパンで成熟していけるように、創作の環境そのものからつくり直そうと試行錯誤中。2014年に『カンロ』、2018年に『ヨブ呼んでるよ』、2020年に『終わりにする、一人と一人が丘』で岸田國士戯曲賞にノミネート。近年は、からゆきさんのリサーチや、幼稚園児~大学生との創作にもライフワーク的に取り組んでいる。

この日の映像で出演予定の関係者

© 守屋友樹

鳥公園アソシエイトアーティスト
和田ながら Nagara WADA  ※今回は映像での出演となります。

演出家。2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。主な作品に、作家・多和田葉子の初期作を舞台化した『文字移植』、妊娠・出産を未経験者たちが演じる『擬娩』など。美術家や写真家など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2015年、創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞。2018年、こまばアゴラ演出家コンクール観客賞受賞。2019年より地図にまつわるリサーチプロジェクト「わたしたちのフリーハンドなアトラス」始動。セゾン文化財団2021-22年度セゾン・フェロー I。


2月7日(火)

11:30 ~ 12:30 オープニングトーク
トークゲスト:三浦雨林

入場料:無料
定 員:20名
対 象:年齢制限なし
申 込:不要 ※当日先着順

展示「鳥公園への50の質問」から気になったものをチョイスし、演劇ネットワークぱちぱちの若いメンバーが、恐れをしらない感じで根ほり葉ほり聞いていきます!
雨林さんには、3月に上演する『ヨブ呼んでるよ -Hey Job’s calling you!!』の魅力について、聞かないわけにはいかないです。


2月7日(火)

13:00 ~ 14:30 過去作品の上映会 『蒸発』(2013年) 劇作・演出 西尾佳織
アフタートーク:三浦雨林 西尾佳織
上映時間:25分 アフタートーク:40分(予定)

入場料:500円  ※当日、現金でのお支払いとなります。
定 員:20名 (先着順)
対 象: 高校生以上
申 込:要申込。下記のURLからお申込みください。空きがあれば当日の受付も可能です。
URL:https://forms.office.com/r/fnpwkxuZTc

作品紹介
隣家の男を双眼鏡でのぞく、子供のような女がいる。彼女は男の家のテレビを見ている。音が聞こえないので、独自に音声を付け加え、同時中継をしている。いつの間にか、彼女はそれを「役割」のように思っている。
同居の女たちがそれを聞く。初めこそ奇妙に思ったが、いつしか慣れて、気にかけなくなっている。そしていつしかその声が、彼女たちの唯一の情報源になっている。
三日経ったら三日分、一年経ったら一年分慣れ親しんで、なりゆきはどんどん重くなる。私の中のなりゆきの分量が増えて、もはや私はなりゆきから出来ている。
でもある日、断ち切られる。蒸発するみたいに、物事が終わる。焼き付いた影に、ぎょっとする体もだらしなく垂れ下がって、揺れている。
出展:芸劇eyes番外編・第2弾『God save the Queen』各団体タイトル・出演者ページ(https://www.geigeki.jp/performance/theater032/t032_001/


2月7日(火)

15:00 ~ 16:00  クロージングイベント
ゲスト:西尾佳織

入場料:無料
定 員:20名
対 象:小学生以上
申 込: 不要 ※当日先着順

3日間のジコショウカイ展を、鳥公園主宰の西尾佳織さんと振り返ります。

この日の在廊予定の関係者
© 三浦雨林

鳥公園アソシエイトアーティスト
三浦雨林  Ulin MIURA

1994年生まれ。演出家、劇作家。隣屋(主宰/演出/劇作)、青年団演出部所属。日本大学大学院 芸術学研究科 舞台芸術専攻 修了。芥川龍之介の小説や、レフ・トルストイの戯曲など既存の作品を原案に、文字としての言葉と発話される言葉の差異を際立たせる手法で劇作・演出を行う。2020年以降、映像・美術を中心とするインスタレーションの手法も用いた演劇作品を発表している。

©引地信彦

鳥公園主宰
西尾佳織 Kaori NISHIO

1985年東京生まれ。劇作家、演出家。幼少期をマレーシアで過ごす。
東京大学にて寺山修司を、東京藝術大学大学院にて太田省吾を研究。2007年に鳥公園を結成以降、全作品の脚本・演出を担当してきたが、2020年より劇作、主宰業に専念。作品とアーティストと社会がより長いスパンで成熟していけるように、創作の環境そのものからつくり直そうと試行錯誤中。2014年に『カンロ』、2018年に『ヨブ呼んでるよ』、2020年に『終わりにする、一人と一人が丘』で岸田國士戯曲賞にノミネート。近年は、からゆきさんのリサーチや、幼稚園児~大学生との創作にもライフワーク的に取り組んでいる。


イベントスペース 企画・制作

竹内ミズキ(イベントスペース  企画・制作/演劇ネットワークぱちぱち)

鳥公園という団体について知っていくうちに、「ここちよさ」についてよく考えるようになりました。鳥公園の作品や活動からは、ひとりひとりが感じる「ここちよさ」を損わないためのアプローチを、試みているような印象があります。生きていれば、ここちよいことばかりではありませんが、そのどうにもままならない「ここち」と向き合う姿勢を感じるのです。私は「ここちよさ」という言葉を連想しましたが、ご来場のみなさんは別のキーワードを見つけるかもしれません。思い思いの言葉を連想し、咀嚼し、鳥公園の創作活動を楽しんでいただければ嬉しいです。

演劇のための長くてゆるやかなアーティスト・イン・レジデンス「八王子と鳥公園の一年目」について

2022年度から少なくとも2年、もしかしたら3年、鳥公園と(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団がタッグを組んで、「演劇のための長くてゆるやかなアーティスト・イン・レジデンス」と題し、 複数の創作活動~作品発表を継続的に進めていくことになりました。その公演第一弾として、2023年3月17日-19日に鳥公園の代表作『ヨブ呼んでるよ』を三浦雨林による新演出で、いちょうホール(小ホール)にて上演します。戯曲も初演時から一部改訂し、『ヨブ呼んでるよ -Hey God, Job’s callingyou!-』としてリクリエイションに臨みます。また、リクリエイションの道のりの中で本作を再検証するにあたり、その手前の勉強会として、専門家を招いた関連ワークショップを一般公開で行います。上演の2週間前には、創作の様子を観客にお見せする公開稽古も予定しています。鳥公園が八王子のまちと共にあゆむ創作活動1年目のチャレンジをぜひそのプロセスからご注目ください。
詳細はこちら(https://hachiojibunka.or.jp/play/yuru-air

お問い合わせ

(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団 芸術文化振興課
geishin78@hachiojibunka.or.jp(担当:荻山)  

クレジット

主催:公益財団八王子市学園都市文化ふれあい財団(www.hachiojibunka.or.jp/play/yuru-air
企画・制作・運営:演劇ネットワークぱちぱち
制作協力:鳥公園
助成:令和4年度 文化庁文化芸術振興補助(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)独立行政法人日本芸術文化振興会